ハイボール・ハイライツ

ハイボールを飲みながら、気になるコンテンツのハイライトを。

『僕のヒーローアカデミア』とストーリー展開論

僕のヒーローアカデミア、いわゆるヒロアカの人気がうなぎ登り。アニメやスピンオフ作品の盛況に加え、映画化まで決定。

f:id:wakubacchus:20180626192715j:image

"興味あります!"

 

僕はアニメ第1期から漫画を愛読し始めてもう直ぐ1年。堀越先生の描く個性的なキャラクタに惹かれてヒロアカが好きになりました。発目ちゃん好き。

 

が、気がかりなことが1つ。それは最新巻(18)を読んで感じた、治崎登場以降のストーリー展開の雑さ。

これはヒロアカだけの問題ではなく、週刊少年誌によくあることで、さらに言うと僕個人の偏った考え。

あまり共感されることはないけれど、共有してみたい。

週刊少年誌の間延び

ジャンプのような週刊誌はやはり読者層が厚く、一度火が着いた人気はそうそう鎮火したりはしない。昨今の新人作家不況が続くとなると、なるべく人気作品は連載を保ちたい。

そこで蔓延るストーリーの雑な間延び。○○編と銘打って、次々と後出しでストーリーが足されていく。これ、個人的にすごく苦手で、作品全体の質を落としかねないと僕は思っている。創作作品において、何年も核心にたどり着けないまま話が横に広がるっていうのは本来ナンセンスなはず。それが漫画では許されている。

こち亀のような漫画は別。ここで指摘したいのは、ギャグでもフェチでもグロでも無く、「ストーリーの展開」が軸となっている作品。

好ましいストーリーの展開とは

浦島太郎を例にとります。

前提として、「玉手箱を開け老人となったその後」のストーリー展開をどうするか、に着目します。

a.良い例

虐められている亀を助けた際、

浦島太郎さん、助けていただいてありがとうございます。お礼に竜宮城へと連れて行って差し上げます。」

というセリフがあったとしましょう。

そして玉手箱オープン。

「今までのもてなしは何だったのか。」

と疑念を抱く太郎。ここで過去に手がかりを探ります。あれれ〜?

「あの時、どうして亀は僕の名前を知っていたんだ…?」

という過去の伏線に触れ、次の展開へパスを渡せました。そこから浦島過去編、竜宮制圧編などが始まるわけです。

自然でしょ?

 

b.良くない例

玉手箱を開けておじいちゃん化。途方にくれる太郎。

そこへ1人の人物が浜辺の向こうから歩いてきます。

「やあ、浦島太郎くん。我々の竜宮城は楽しんでいただけたかな?」

と怪しいセリフ。

 

一見よくある展開のように見えますが、これこそストーリーの後出し。今まで何の登場も匂わせなかった新キャラが、ストーリーの重役をいきなり担ってしまう。

これがよくある手法で、その性質上無限にストーリーが紡いでいけるのですが、本来銀魂のような作品に合う。でも連載を伸ばしたいがために色んなジャンルで蔓延っていて、ヒロアカの最新巻からもすこし匂った。

ヒロアカの最新巻はどうだったか

じゃあ実際ヒロアカはどうなの、と。いくつかあります。

ナイトアイの死亡

これはあまり関係ないけど、単純に比重が小さすぎた。オールマイト→デクという世代交代が厚く描かれる一方、ナイトアイ→ルミリオンのバトンタッチもかなりの出来事のはずなんですよね。それを1話の半分程度で終わらせてしまうのはもったいないというか、もっと重く、ドス黒く、でもルミリオンの人格を最大に活かしつつ、という形で消化したかった。先の展開を急ぎすぎ。 

ここでナイトアイの遺した"ある物"があったとしましょう。それが少しでも触れられていれば満足だったかもしれない。

ギガントマキアの登場

お ま え は だ れ だ

唐突。オールフォーワンの右腕、かつ歩く災害とも呼ばれる存在がなぜ今まで1ミリもストーリーに登場しなかったのか。強キャラを隠したい気持ちはよく分かる、でも種は事前に蒔いておくべきだった。じゃないと「シガラキとの戦いはまだ後ということになったで〜」という先延ばしの意図を感じてしまう。せめてギガントマキアが及ぼした影響が断片的に既存のストーリーに散りばめられていれば良かった。

青山くんの本性(本誌未読)

 

●追記(7/7)

19巻を読みました。クッソ適当な考察をしてしまって顔面真っ赤っかになりました。すみません。てっきり内通者の話に飛ぶのかと思っておりましたよ。なお19巻は退屈すぎて中々ページめくれませんでしたが、ジローちゃんメインで可愛かったからいいかな、というのが感想。

 

これはあくまで「青山が今後悪役またはそれに準ずる役に移る」という予想の話。

今まで何の怪しさも見せなかった青山くんが豹変。デクの回想に「何を考えているかわからなかった青山くん」という言葉があった。

でもこれ、あまり共感できる人がいないんじゃないかな。それまでただの弱気なキャラとして描かれていて、怪しさをチラつかせたことがなかったキャラが、実は悪役でした。というのは少し無理がすぎる。

いくら完璧に演じていたという設定があっても、どんなに細くても伏線は張っておくべきだったとおもう。

「青山は?」

「個性の使いすぎでトイレに篭ってるよ」

というやりとり1つあっただけでも違った。

ストーリーが適当になってほしくない

ヒロアカ、と似たような系統の漫画に言えるのは、いつのまにかスマブラ的能力者バトルにすり替わっていてストーリーが雑になるということ。

そのためにフワッとした設定と、最終到達点のラスボスだけを読者に与えておくのだと思う。あとで調整が効くように。

しかしとて、僕のようなひねくれ者はその意図を気にしすぎて100%楽しめなくなってしまう。

 

というわけで週刊少年誌の漫画にチャレンジできない。Dr. Stoneも気になってたけどトーナメント編に突入、という意味不明の文言を見つけてやめた。読んでないからなんとも言えないけど。

あと約束のネバーランド。あれは完結したら評価見つつ買おうとおもう。