ハイボール・ハイライツ

ハイボールを飲みながら、気になるコンテンツのハイライトを。

音楽と週報 vol.10 2023/5/27〜6/2

1 Vulfpeck 17 scrobbles
2 Towa Tei 13
3 グソクムズ 13
4 スピッツ 10
5 フーバーオーバー 9
6 椎名林檎 8
7 Yin Yin 7
8 ふくろうず 7
9 Louis Cole 6
10 デュア・リパ 6

 

5/27(土)

「波紋」を見た。筒井真理子光石研磯村勇斗が家族で、どれも好きな役者なので大変満足。内容は普通だった。ただただ素晴らしい名演技を堪能できる映画。

そのあと「アフターサン」も見た。そもそもあまり期待はしてなかったんだけど、そこそこの満足度という感じだった。これは評価分かれそうだなあと思っていたけどまさにその通りのようだった。A24という前触れがなければ絶対に評価してなかっただろうに、とも思う。たしかにゆったりと進む記録と記憶の往来のなかには、父娘のおだやかな思い出がきれいに映っていたし、さらにそれが父を亡くした娘の回顧録的な意味を果たしている、というのバックボーンまで想像できれば、じんわりとしみるものがある。UNDER PRESSUREが流れてきて、その歌詞に字幕が付いていて、そこは名シーンでおもわず涙。

そのあとメゾンキツネとand wanderのコラボTシャツを買って散財。仕事には着ていけないし、休みの日に誰とも合わないしで、完全に自分がひとりで楽しむためのファッション。メゾンキツネ感もそんなにプッシュされてないデザインで、かわいい。

マハラージャンの新曲「蝉ダンスフロア」がかっこよかった。ORESAMAが活休してからこういった最新ディスコポップスに飢えていたので、久しぶりに体がビリビリする。メジャーデビューからのコミカル路線が実は苦手だったのだけど、やっぱり好き。完全に古参ファンとしての矜持が邪魔している。1stEPが突然世に現れたとき、嬉々としてなんちゃってDJなんかで流したりして、音楽通っぽい人にこれは売れると言われたりして、結構思い出のあるアーティスト。

Towa Teiをたくさん聞いた日。

 

5/28(日)

特に見るつもりもなかった「ガール・ピクチャー」をK2で見た。流行り物という感じ。ヨーロッパのポップスに疎かったので、そこは新鮮だった。自分はこういった同性愛もの・アセクシャルものに結構興味があって進んで見るようにしているけれど、そもそも自分はどちらでもないし、悩みの解答を求めようにも、もやもやすることが多い。恋愛感情があって、性的対象は異性で、普通に性欲もある、でも何もかもうまくいかない、そんな男性に救いをもたらす映画はないんですか。結局、「モテキ」のドラマで「そんなに自己否定大好き人間ならさっさと死んでよバカ」という土井亜紀のセリフが一番心に残っている。もしくは、サンボマスターそのぬくもりに用がある」の中の「だからなんだっていうんですか、僕にはソウルミュージックがあって、ロックンロールという音楽があって(中略)すべてを忘れてただただ音楽のために生きる男」というあの語り。

この日もボーナストラックは賑わっていた。帰り際ちょっと寄ってみたらものすごい量の人たちがものすごく楽しそうな表情をしていて、気持ち悪くなった。ボーナストラックができた当初とか、ちょっとひっそりしていたカルチャースペース的な感じですごく好きだったのに、いまや下北沢駅周辺の雑多と対照的に、秩序やハイカルチャーの要衝と化している。あまりにも自分の馴染める場所が見当たらず、BIG ROMANTIC RECORDSで台湾音楽を物色して退散。YONLAPAの音源があったので、いつか買いたい。

徒歩で帰宅し、気になっていたコーヒースタンドに寄ってみた。店員さんが元モデルのセカンドライフですか?といわんばかりの佇まいで、ああこの人は自分の人生の成功を疑わないんだな、と。そんな純度100%の接客を見て思った。

デュア・リパの新曲を聴いた。映画バービーの主題歌が先行配信されている。相変わらずの骨太ディスコがかっこよく、歌詞もバービー世界のダンスフロアを的確に表現していてとっても好き。最近ずっと聴いている。

5/29(月)

出社。仕事はあまり覚えてない。ガールピクチャーのことを思い出して、フランスの現代ポップスを聴いて帰った。前日の夜、ずっと前にもらった酒麹フェイスパックを試してみたのだけど、その影響かずっと肌がもちもちでちょっと気持ち悪かった。美容って、違和感との戦い?

仕事では、ず〜っと粘ってくる会社との商談がまとまらず、本当にうんざりしていた。正味弊社御社のことなんてどうでもいいから、早くおれ個人を解放してくれという気持ちで、先方の希望に沿う方向に持っていくべく、こっそり先輩に相談。そしたら次回以降つけ込まれて苦労するよと正論。耐えた。このやり取りは金曜まで続く。ccを無視して自分にだけ返信したり、返信せず電話してきたり、本当に営業というのは悪しきものだと辟易。買う側でよかった。

5/30(火)

さいごの新卒おためし研修。大学生気分の5人のぺえぺえを相手にするのは骨が折れた。他部署に配属が決まっていることもあり、そもそもの興味も薄そうで疲れた。上司なども参加するお試しプレゼンといった研修もあるのだから、クオリティなんて求めてないからせめてヘラヘラしないでくれ。とずっと思っていた。講評の時間に先輩社員がそれを指摘していて、本当にすっきりした。その後新卒のひとりが「ヘラヘラ発表していたのをちゃんと指摘されて、しっかり凹みました」と正直に話してくれて、かわいげあるじゃん…とほっこり。頑張ってね。

関西出身組と関東組が混じっていて、好きなお笑いの話になった。関東組のひとりか挙げたラインナップに、思わずラジオ聞いてそう、とか、テレ東とか佐久間さん好きでしょ、とか言ってしまった。我慢できなかった。本当に嫌な先輩だとおもう。

一日中新卒につきっきりだったので派遣社員にアシストを色々お願いしていたけど、あまりにも腑抜けていて成果も薄く、すごくイライラした。40過ぎの派遣さんになぜ6年目の自分が指導しないといけないんだよ、と思いながら、何度も教えた基礎を笑顔で教える。固有名詞をいつまでも覚えない、モノやデータの置き場所も覚えない、というか覚える気がない。何度も同じことを聞くな。いや、聞いてもいいけど悪びれろ。できるだけ負の感情を出さないように接しているが、どうも同期にはそれが伝わっているらしい。無理だよ。

たとえばADHDというものがある。ただ、能力や得意分野のデコボコ以前の問題として、人と接するときの態度だったり努力や改善の兆しを見せないというのは、それも個性ですか。それもアルファベットで適当に名前つけてくれれば、イライラしなくて済むのか。業務中私用のスマホを堂々といじいじするのも、しょうがないね。そういう個性があるからね。ってなるかな。

前の部署では無能な人間は勝手に篩い落とされる、そんなことを気にかけていられない仕事だったので、現部署でこの派遣社員以外にものんびり鈍感な人間の多さに驚く。みんな人はいいからさほど気にならないが。ずっと年上の人間が怒られたり詰められたりする様子は見たくないよ。

例の営業さんがメールを返さずずっと電話してくるのでずっと無視した。タイムリミットもあるので明日電話しようとおもったら、夜、明日10日に電話しますねとメールが来て、いやメール返せよくそが、と心の中でかなり怒った。

この日はWALKMANで音楽を聴いていたので、記録なし。

5/31(水)

在宅。朝、営業さんと電話。進展なし。特に何も覚えてない。定時くらいに退勤して、鶏肉をオイスターソースで炒めた。作り置きのつもりがいつも完食してしまう。

公開間近の「フラッシュ」予習も兼ねて、一作目で止まっていたティムバートン「バットマンリターンズ」を見た。ノーランのトリロジーや「ザ・バットマン」の重苦しいバットマンに慣れているためハマらず。ペンギンやキャットウーマンはたしかにティムバートンの雰囲気に合う。

6/2(木)

新卒の本配属の日。別チームに決定しているが、さらなる研修のため1週間うちのチームに来ている。とても見た目が可愛く、愛想もよくて好印象。トレーナーになってしまったので、なんとか警戒されないようにおそるおそる話す。体験研修のときからずっと慕ってくれているようだったけど、人間関係をゼロイチでしか測れない自分にとっては恐ろしい気持ち。性別に関わらず仕事以外のつながりが生まれてしまおうものなら、保身のため自分から突き放してしまいたくなる。本当は会社の人だろうが何だろうが、どこで知り合ってどういう関わりがあったとしても人間関係を築く上では気にならないのだけど、相手方のことを考えると、相手の思う一線を超えないようにしなければ、という強力な保身がいつも働く。

上司ふくめてお昼に出る。おすすめのSF映画を聞かれ「猿の惑星」と答えた。すると上司が、スターウォーズと言わないあたりきみの個性だよね。と言ってくれた。みんながオススメするものではなく、マイナーすぎない名作を教えてあげたいじゃないですか、と言った。映画なら何でも観ているわけではなく、自分の信念に則った作品を観ているよね、と言ってくれて、それが本当に嬉しかった。

それにしても顔や見た目が好みで、これが眼福か、と。会社でのやり取りがあるからこの新卒さんは自分にも良くしてくれるだけだぞ、と何度も言い聞かせてトレーナー初日を終える。

同期と残業しているときにデュアリパの話、映画バービーの話をした。とても見たいんだよねと言うと、「○○(男性俳優、名前は覚えてない)がムキムキでカッコいいから?」と言われて戸惑った。明らかに自分の考えすぎだろうけど、おれはゲイだとでも思われているのだろうか。その同期は人のそういう個性をとても気にするし、勘繰るから。普段からマスキュリニティに重しをして見せないようにして、さらにガールズムービーもたくさん見ている。誰々が可愛いとか、恋人がいるかどうかとか、女性に対しての評価も絶対軽口を言わないようにしている。だからなの???おれはただ、性別とかどうでもいいし、どうでもよくなりたいだけなのに。なんでもいいじゃんね。どうして自分の男性性がきらいで、世の中のホモソーシャルに馴染めなくて、性別に囚われない考えをしたいのか、説明してあげようか。おれは男だし、女を好きになるよ。

だれも悪くないそんなショッキングな出来事があり、帰りはふくろうずを聞いて帰った。「トゥーファー」の歌詞「救われたいの、ジーザスジーザス!」が本当にすきだ。美しいものと言葉に囲まれて生きたい。救われたい。

6/3(金)

また新卒さんの研修。今日も可愛いなこの人、と思いながら無心で色々教えた。仕事は特に覚えてない。件の営業さんとのやりとりが、相手が折れる形で一件落着し、すっきりした。初めから押し売りしてないで折れてくれ、時間返せよ。

新卒が定時を過ぎても残りたいと言っていたのでその通りにさせてあげた。雨がすごかったので新卒ふくめオフィスにいたみんなで帰ろうとなっていたらしいのだけど、自分も帰ろうと思って身支度しつつ、喫煙所にいた。戻ったら僕のことをみんな待ってくれていたらしく、遅いし新卒だけ先に返したとのこと。喫煙所にいたのは、帰り道が新卒の子とある程度一緒だということが分かっていて、先に帰って欲しかったから。結果、ただ心証を悪くしただけかもしれない。まあいいけど。

週末は「怪物」「ウーマントーキング」「渇水」を見たい。