喪中です。
明けてもおめでたくありません。
1/3にORESAMA新曲『ワンダーランドへようこそ』が発売されました。年明け早々に飴が与えられてしまって、僕はもう現世の鞭に耐えられる自信がありません。
実はORESAMAが再デビューしてから初の、タイアップではないシングル。テーマソングというしがらみから離れた、純・ORESAMA音楽。別にアニソンが悪、という意味ではありませんよ。むしろ「これがORESAMA 原点回帰卍」みたいなスタンスで応援するのは失礼にあたるよな。個人的に気をつけていることである。好みとかけ離れてしまったらスッ…と退こう。
とにかく、いまの僕にとって、ORESAMAは人生です。爆・自分語りします。ちょっとだけ曲のレビューもするよ。
逃避先とファンタジー
という話を、吉澤嘉代子の音楽と絡めて書きました。
個人的な話で、2018年は本当に辛かったです。人間関係や環境の変化など四方八方から槍で突き刺され、心身ともに磨り減ってしまいました。体裁は保ちたい性格なのでしまいには躁鬱気味に。それは言い過ぎか。平日に無理やり社会に精神を馴染ませた結果、休日はエネルギーが枯渇してほとんど家にいました。
往復3時間の通勤と土日でどう枯れた潤いを取り戻すかというと、まあだいたい音楽を聴いています。現実世界を生きるのが辛いので脳と心を休ませないといけないんです。音楽は、目から入り込んでくる情報をシャットアウトしつつ空想に浸れる。ファンタジー、リアリティ、どこへでも自由自在に。
ということを上の吉澤嘉代子の記事で書きましたが、もう一つの逃避先のファンタジー、それがORESAMAです。
別にこの気持ちは今に始まったものではなく、『ドラマチック』のMVを初めて見たときからずっとORESAMAの世界というのは僕のもう一つの世界です。それを彼女たちは「ワンダーランド」と自称していますね。ライブへは何度も足を運びました。教会にて死んだ後に救われるよう祈るのと本質的には同じです。
仕事もプライベートも、現実世界を生きるのは本当に辛い。日々満ちるネガティブな空気に比例するように承認欲求が増大して、でも満たすことができない。そこでワンダーランドへ逃げ込む。「ORESAMAの音楽を聞く」というのが、僕のワンダーランドでの役割です。
動機は少しネガティブかもしれないけど、ORESAMAを好きでいるそのパワーは誰にも負けないと思う。とは言え、そもそも聴いてるだけで身体の芯に点火してバチバチ踊っちゃうような音楽なので、ワンダーランドにいる間はとってもポジティブ。麻薬か。
意外と上手く語れませんね。
新曲の話をします。
カルチャーの積立
と『ワンダーランドへようこそ』。
最初のサビが終わって落ち着いた後、ベースラインのヤバさに気付きましたでしょうか。あれは完全にダフトパンクのそれです。絶対たぶんそう。
って思って書き起こし数日、改めて上記の箇所+キーボードソロを聴いてみたところ、level42のほうがしっくりくる!ということが判明。ベースの流動的な音と鋭いギター、そして鮮やかなキーボードで曲を包み込むことで魅せる、ポップ×ファンク音楽の先駆者。
そしてマイケルジャクソンが発信源となった、鋭くも甘いポップ音楽。半世紀前のカッティングひとつ、シンセサイザーひとつひとつが、いまのORESAMAの曲にも表れている。
ORESAMAのメロディは表面上はかなり甘く、軽く、フワフワしている。平成サブカルチャーミュージックではあるけれど、どの曲も芯はかっちりしている。「ワンダーランドへようこそ」はその芯の硬さ・味付けの甘さがそれぞれ上手くメリハリつけられていて、先人が蓄えていったポップ音楽のノウハウを余すことなく発揮させている。それがあの突出したグルーヴ感を生み出しているのだと思う。
今回の新曲は、まさに「平成ディスコ」と評するのにふさわしい。2019年現在、邦楽ポップ界ではぶっちぎりの完成度である。それも目新しさとテクノロジーの軟派な部分だけでなく、ダフトパンクやlevel42の系譜をしっかり継いだ硬派な魅せ方でもある。雑に作っても見栄えのいいディスコポップの中で、ORESAMAの楽曲がいかにガチのガチか、伝わるじゃろ。本当に、本当に好きなんじゃ…。
すこしだけ威張らせてください
デビューする前からずっと好きです。媚びることも不貞腐れることもなく、ただ自分らの世界を貫いていたORESAMA。
偉そうなこと言ってすみません。でも最初期の音楽に心を掴まれ、いまもまだワンダーランドから抜け出せない僕からすると、自分はORESAMAの音楽の最高の理解者だと自負している。理解者というか、僕の存在意義がORESAMAであり、逆にORESAMAは僕のような現実世界で羽を伸ばせない人間らを匿ってくれる存在なのだ。
たまたまアニメのテーマソングに抜擢されたから浅瀬で楽しむ、じゃなくって、彼女らの深い音楽にぜひ飛び込んでみてほしいな。ルーツを辿ると30年前の純・ディスコ音楽に行き着く。それに現代のテクノロジーとサブカルチャーで甘く味付けをしたもの。「ビジョンが明確」である音楽って、実は少ないんですよ。曲のメッセージ性とかそういうのとはまた別に、「自分の音楽が何に影響されて、どう形成されているか」がはっきりしている音楽はブレません。
新木場coastワンマン
楽しみすぎます。無理です。
この世界を生きるのが本当にアホらしいです。
しかし 優れたクリエイターを支えたい とORESAMAから着想を得ていまの仕事をしているので、どう転んでもORESAMAには頭が上がりません。いつもありがとう!(?)