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『モブ子の恋』4巻感想 勢いが全くモブじゃない

最近なにも書いてないなー、ということで話題を探してたらちょうどいいのがありました。

 

モブ子の恋 4 (ゼノンコミックス)

モブ子の恋 4 (ゼノンコミックス)

 

『モブ子の恋』4巻、めちゃくちゃ面白かったです。ネタバレしますよ〜。

 

それまでの記事はこちら

デートのゆくえ

4巻を手にとってまず、「そういえば前巻のラストって…」と色々思い出すなどした。

どう考えても告白をするしかないフリ、後に引けない入江くんだったけど、衝動的に呼び止めてしまっただけで、まだ理性が勝ってたみたいで告白はしなかった。

だがしかし、その気はなかったものの衝動的に呼び止めてしまったこと、それによって彼は自制が効かなくなってきていることに気付く。

 

金子さんに頼んでリードしてもらうあまり、本気ではあるんだけどあまりにも暗中模索な感じが伝わってきてよかった。

セリフのない5ページ

なんやかんやあって入江くんが決意して、物語のスポットは田中さんへ(雑)

 

4巻の中盤、僕が言及したいのはここ。

ひとまずそれに至るまでのシーンを。

 

田中さんはバイト先の人には相談しないんだね。ふみちゃんに色々打ち明けてるみたいで。超キーパーソンというか、重要な橋渡し役のふみちゃん。僕が前に付き合ってた人に似てて、好きです!ふみちゃんに服を選んでもらい、デート前の身だしなみも教えてもらい、、、と至れり尽くせり。

 

そして当日。田中さんはふみちゃんのアドバイス通り、化粧水とかヘアアレンジとかを実践する。

それらを調べたり、買い揃えたりした間の数日間、入江くんとのデートが待ち遠しくて仕方なかったんだろうなあ。田中さん自身、「おしゃれしたところでそんななので……」という考えと、ふみちゃんの「好きな人と一緒にいられる日の服なのに」がせめぎ合って、一つ殻を破ることができた。

 

ふみちゃんに後押ししてもらって、自分で揃えたお守り。それを身に付ける当日の朝のシーン、セリフは一つもない。だけど、これから好きな人へ会いにいくという焦燥、慣れない化粧への戸惑い、そしてそういう不安を押しのける「ただ入江くんに会って伝えたい」という強い想いを当該シーンから感じ取った。口下手な田中さんの気持ちがストレートに伝わる名シーン。すばらしい。

そうして色々ぶつかったいくつものドキドキは、家を出た瞬間ポジティブなものに。思わず口から出た「いい天気…」の一言、お守りが効いているのかなあ、とか思っていたりするのだろうか。

・・・

この5ページ、この『モブ子の恋』という作品で1番好きなシーン。主人公2人の口数が少ない分、表情や目線から感じ取れる気持ちの量が多い。それを読み取るのが楽しくてしょうがないし、言葉で明言しないからこそ、共感やドキドキの想像が自由にできて増幅したりするのかな、と。

この物語を理屈こねて分析するのは中々ナンセンスな感じがするけど、「描写」による惹き込ませ方が上手いなあ、と思いました。

その後の盛り上がりと試し読み

その後とか言ってなんか適当に過ぎてますけど本番はここからでした。あんなことやこんなことがあって、最後はキュゥゥゥゥってなりました。(雑)

 

申し訳ないのだけど、あまりにも感情に訴えるシーンだったので言語化できませんでした。

だって初恋のあの感じ、絶対説明できなくないですか?個人的には田中さんが饒舌になってるのがもう…。わかる。わかる。わかる。

 

どういうシーンで、どういう気持ちになるのか、それは手に取って読んでみましょう。

幸運にもこんなところにリンクが!

僕も調べるまで知らなかったんだけど、なんと無料で読めちまうんだ!ただ無料だからと言ってポイポイ読まないでほしい、じっくりたっぷり自分の経験とか思い出しながら読んでくれよな。

その他

ちなみに2人がデートしたのは尾道です。

尾道は一回旅行に行ったことがあって、あんな素敵な街を好きな人と歩けるなんて幸せだろうなあ。将来まじで住みたい街ナンバーワンですよ。

 

『モブ子の恋』、無料公開はさすがにサービスが行き過ぎている。お金をとれ。というか読む側もお金払え。というのは半分冗談ですがそのくらい面白い漫画です。面白いものにお金を払うのは当然なので僕はコミックを買い続けます。数多の無料漫画の中でも異彩を放つ、その様相はモブ=その他大勢とは言えない。読みましょう。