ハイボール・ハイライツ

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音楽と週報 vol.44 2024/1/20〜2024/1/27

1 人間椅子 42 scrobbles
2 おとぎ話 20
3 シャムキャッツ 15
4 ZAZEN BOYS 9
5 フーバーオーバー 7
6 毛皮のマリーズ 7
7 Yin Yin 5
8 エレファントカシマシ 5
9 モーモールルギャバン 5
10 矢島美容室 5

1/20(土)

先週に通話したアプリの人と会った日。お昼から昨今のブームが到来する前から存在していた老舗の純喫茶で待ち合わせしてオムライスを食べた。その後、「僕らの世界がまじわるまで」を一緒に見た。映画をちゃんと見てちゃんと考えられる人だとわかってうれしかった。ピカデリーに「哀れなるものたち」の広告がでかでかと垂れ下がっていたので、翌週の金曜に一緒に見に行くことになった。本当に楽しみで自分の中の聖域にそっと置いておいた作品だったけど、この人はそれを踏みにじるようなことはしないだろうな、と安心できたので、一緒に見に行きたいと思えて良かった。その後下北沢に移動して古着屋を巡った。王道デートかい。彼女のファッションセンスに惚れ惚れした。あまりお腹が空いていなかったので仄暗い喫茶店に入った。いろいろ話して、「会う前は本当に不安で帰りたかったけど、改めて1日の終わりには初めて会う気がしなかった」と言ってくれた。

映画、音楽をはじめとするお互いを構築している好きなものについて共有して、知らない世界をお互いに教えあった。雨も降っていて尋常ではないくらいに寒かった日。会う前の不安だった気持ちが嘘のように楽しく過ごせた、と言ってくれて良かった。自分もまた、今回の方もまた何か違う特別なものを感じていた。ここまでは割と、これまでの顔合わせと一緒の感覚だったかもしれない一方で、好きなもののラインナップが似ていて、それを強い気持ちで愛でていきたいというスタンスが一致していることは、これまであまりなかったかもしれない。恋愛観についても話し合った。後になってやっぱ無理ですというトラウマを避けたかったので、ちゃんと話しておいた。

人間椅子の音楽と文学性で通じ合える人と初めて出会えて、うれしかった。

1/21(日)

日中は掃除をしたかったけど、前日の疲労が取れなくてうだうだしてしまっていた。夕方からゴダールの「軽蔑」とイ・チャンドンの「オアシス」を連続で見た。「軽蔑」は画がいいな〜と思ったくらいで、内容で迫るようなものがなかった感じ。表現という意味で、現代映画の草分け的な感じがした。

「オアシス」は、もしも自分が健常者だったら、のカットが数カ所あり、それ自体にいろいろと賛否があるようだった。自分は全く気にならず、あの女性が表出することができない、内なる美しさと苦悩を可視化した表現に感動した。そして片山慎三監督に通じるテーマや濁り、人間本来の美しさをまじまじと見つめられる作品で、とても良かった。

かなり遅くになって帰宅、残っていたひき肉でキーマカレーを作って食べて就寝。

1/22(月)

在宅。週末に会った人が紹介してくれたたくさんの音楽をいろいろ聞いたら仕事が終わった。本当に暇でほとんど仕事していなかった気がする。おかげでたくさん聞けた。自分の知らない、そしてとても素敵なアーティストをたくさん知っていて、どれから聞いてみようか迷っている。

夜、「Shall weダンス?」を見た。これも週末の人がベスト級に好きだという映画で、ついこないだ周防監督の良さに気づいたから。結果、終始ボロボロ涙が流れ、わけのわからないくらい泣いてしまった。本当に美しくて、爽やかで、人生を謳歌しようというエネルギーとロマンスが詰まった最高の作品だった。役所広司、すごすぎない?

音楽の話と、「Shall weダンス?」をみた話を連絡してみた。連日LINEでやり取りを継続する、というのが苦手な一方で、関係性がゆらいでしまう期間はある程度連絡をして絆しておきたかった。なんとなく向こうも同じような温度感のようなものを感じられて、良かった。

1/23(火)

出社。チーム長が出社する日だったから一応合わせたけど、いなかったから職場が静かだった。仕事はあまり覚えてない。イ・チャンドン特集を夜から見たかったけど、先輩社員から色々質問されたのに捕まり、ちょっと退勤が遅くなった。自分は定時には出勤しているのだけど、それで朝遅い人が主導する案件とバッティングすると、早めの出社が割りを食うことがよくある。みんなはやく来て早く帰ろうよ・・

1/24(水)

おとぎ話をたくさん聞いた。なんでこれまで聞かなかったんだろう。そもそも、名前を知っていたかどうかすらも怪しい。ZAZEN BOYZの新しいアルバムも聞いた。出社したけど何もなかった日。林芙美子の「浮雲」を読み始め、冒頭からぐんぐんと引き込まれていく。金曜の映画の時間を決めた。彼女が「PERFECT DAYS」を見たと連絡をくれた。仕事中だったけど心が躍った。面倒なトラブルがまたおきた。

アカデミー賞のノミネートが発表されていた。おおかた予想通りというか、まあそうだよね、という感じ。だた「Saltburn」がどこにもノミネートされていないのが意外だった。脚本か主演男優賞くらいには入ってるかなー、と思っていたけど。「オッペンハイマー」はどうなるかなあ。いうほど論争的じゃなくて、戦争というものの意義を問いかけるような作品だと個人的には思っている。流石にノーランがそんな下品な作品を作るとは思えない。

1/25(木)

在宅。久しぶりにモールルを聞いた。モールルが好きだという気持ち、結構忘れがちになる。定時前にこっそり家を出て、すこし離れた古着屋にセーターを買いに行った。いいもの買ったなあ。

その後夜からイ・チャンドン「バーニング」を見た。これは劇場でみないと寝ちゃうなあ。村上春樹原作っていう情報がない状態で見たかったかもしれない。官能的な表現と、主人公の朴念仁な感じが村上春樹っぽいとうか・・まったく知らないんですけどね。とにかくスティーヴン・ユアンの貼り付けたような表情に引き込まれた。「CURE」の萩原聖人みたいだ。

1/26(金)

出社。打ち合わせを2件した。どちらも会話の感じがちょっと自分には合わない感じなのだけど、大事な取引先なので苦労した。2件目は上司が同席してくれたので場が回って助かった。自分よりすこし年上くらいの若い担当者さん、逆に僕のことは年上だと思ってるんだろうなあ、というバツの悪い気持ちになる。舐めた態度をとってすみません。

2件めの打ち合わせが終わって早退し、吉祥寺に。アプリの人と待ち合わせして台湾料理を食べた。ルーローハン美味しすぎる。これまでちゃんと食べたことなかったかもしれない。楽しく話をした。

その後レイトショーで「哀れなるものたち」を一緒に見た。感想をここに書いておくにはとても体力を要するのと、自分のなかにすでに落とし込めているような作品なので、ここで書かないでおく。鑑賞後は魂が抜けたように席から立てなかった。一緒に見た方も人生でベスト級の作品だと言っており、翌日それがフェミニズム的な観点からの共感だったということがわかり、彼女の聡明な感性に惹かれたと同時に、自分も同じ感想を抱いていたので、安心した。

終映後、その辺をぶらぶらと散歩した。寒かった。公園で色々話をし、翌日もまた会おうということになった。この日は集合してからややバタバタしており、深い話をあまりできなかったから、向こうから提案してくれて嬉しかった。寒さに震えながら帰宅、翌日に備えて就寝。

久しぶりにグソクムズを聞いた。昨秋の一件以降、自分はちゃんと向き合えなかった間にメジャーデビューを果たしたりして、離れてしまっていた。今なら聞けると思って聞いたら、しっくりきて良かった。

1/27(土)

お昼、都内海沿いの駅に集合した。コンビニで適当に買って、散歩して、海沿いの誰もいない海浜公園的なところで食べて話した。あのスポット、誰もいないしめちゃくちゃいいベンチ?があるしで、ナイススポットすぎた。行きはてくてく歩いて、戻りはバスにのった。バスで隣に好きな人がいるの、あまりにも詩的で、中学生的で、良い。

バスを降りて植物園に行った。草木の名前と見た目が一致しているような知識はないけれど、ただ居るだけで癒される空間だからすき。お互いにカメラを持っていたので撮りあった。ドーム内に差し込む光がその人を照らして、草木を背に輝いているその姿に見惚れた。

夕方退館し、ちょっと移動した。すこし散歩してお好み焼きを食べた。手狭なお店で真剣な恋愛の話をする雰囲気ではなかったものの、自然と3日目の総括が始まった。あまり何を話していたか覚えていないけど、自分が普段から大事にしている考え方を改めてなぞっていた気がする。一度好きになった人やもののことは、状況的に手放さないといけない場合はあるけれど、一度も好きではなくなったことはない、その代わり特に新たな人に心を開けるかどうか、そこに一番労力を要するし、一度ダメそうと判断したらその人には興味がなくなってしまう、ということを伝えた。その後、何かを自分が話し終えた後、突然告白をされた。この日のうちに何か進展があるだろうなあ、と思っていたけど、まさかお好み焼き屋でとは思っていなかったので、まともに返答できなくて震える声で自分も同じ気持ちだということをからがら伝えた。箸を持つ手が震えてお好み焼きがボロボロになっていったのをよく覚えている。そして退店間際、彼女がお手洗いで叫んでいるのが聞こえた気がした。あれは幻聴かもしれない。

その後のことは詳細に思い出せない、一旦退店をして、改めて自分もその人のことが好きで、その恋愛感情以上にずっと関係を続けられると思えている人だということを伝えた。自分の不安な気持ちも吐露した。相手は、したたかな人だ。背筋を伸ばして、しゃきっとしたい。歩きながら色々話して、今日のところは一旦帰って頭を冷やすことにした。あしたも会う。これからどうなるか、、といつもなら書いている気がするが、この人との関係はきっと成熟するはずだ。