ハイボール・ハイライツ

ハイボールを飲みながら、気になるコンテンツのハイライトを。

音楽と週報 vol.45 2024/1/28〜2024/2/2

1 折坂悠太 51 scrobbles
2 ジッタリン・ジン 34
3 Ginger Root 18
4 人間椅子 13
5 おとぎ話 11
6 ドミコ 8
7 大塚愛 8
8 YUKI 6
9 オアシス 6
10 吉澤嘉代子 6

在宅勤務が2日あったので折坂とジッタリンジンをすべて流した。めっちゃ音楽聞いた週。

1/28(日)

地震とアラームに同時に起こされて心臓ばくばく。怖かった。お昼に恋人と会って公園と喫茶店でお話しした。ちょっと暖かい日で、公園でのんびりしていた時間、永遠にこのままになれ〜〜〜ってずっと思っていた。知り合って10年くらい経っているかのような感覚がする。

好きなメガネのセレクトショップを紹介してあげた。そうやすやすと手を出せる金額ではないものの、一緒に色々と試着した。前日、自分は女性に可愛いという言葉をあまり使いたくない、ということを説明した。描写を放棄しているような、雑な響きが好きではなくて。好きな人の好きなファッションに素敵なメガネが代わる代わる加わっていくのは非常に刺激が強かったというか、ドキドキした。可愛い以外の語彙がない。可愛い。

マフラーが欲しかったので、無印でいいものを買った。めちゃくちゃいい。同じものを一緒に選んでくれてうれしかった。この冬は敵なし。もっと冷え込んでくれて構わない。

その後、喫茶店でした音楽の話、映画の話、本の話、そのひとつひとつにこれから影響されていくことになる。恋人の好きな音楽が良い。

3日連続で会っていてさすがに疲れたねということになり、夕方解散した。別れ際、マフラーを巻いてくれた。おお恥ずかしい。自分、恋愛してるわ。マフラーを巻き終わった途端、突然頬にキスをされて叫び声が出た。そのまま彼女は改札の向こう側に行って帰ってしまったけど、体が固まってしばらく動けない。おおん。。ようやく歩けるようになったと思ったら、なんだか足取りが軽い。すごいな。自分、わかりやすすぎる。

帰宅して、「川の底からこんにちは」を見た。石井監督は去年の「月」のせいであまりいいイメージがなかったけど、やっぱり好きな作風なんだな。初期作品だから粗々しいところもあったけれど、去年の「愛にイナズマ」につながる原体験で満足。満島ひかりのスピーチとラストシーンは巻き戻して2度見た。

鶏の照り焼き作った。

1/29(月)

朝から健康診断。注意書きを読んだ上で朝ごはんを食べて臨んだけれども、やはり当日の朝はNGだったらしく、怒られた。ごめんなさい。身長は相変わらず168cmだった。姿勢が悪いから本当は170cmだと思っている。見栄ではなく、本当にそう思っている。

その後出社して、仕事して退勤。チームのうち3人しか出社していなくて快適だった。

帰宅して「哀れなるものたち」のパンフレットを読んだ。もう一回みたいな・・

1/30(火)

出社。覚えてない。チーム長と同期とランチに行った。毎昼1000円以上するものを食べられる財力が欲しいです。同期とは給料変わらないはずなのに・・。

適当に勤務して退勤。その足で「みなに幸あれ」を見に行った。気になっていたホラーだったけど、あまりハマらなかったなあ。古川琴音は良かった。ホラーにぴったりの顔しているし、彼女ならアリ・アスターの作品に出ていてもおかしくないと思う。トニ・コレットやフローレンス・ピューと似たような表情ができるはず。それ以外は、どうにも茶番感がいなめないというか、小劇場の小劇団って感じがしてしまった・・。邦画ホラーで好みのものにあまり当たったことがないなあ。ちょっと色々見てみたい。

1/31(水)

在宅。恋人のプレイリストからずっと流しながら仕事した。仕事はあまりなかったかも。お昼を食べた後M1の決勝をみてゲラゲラ笑い、おかげで目が覚めて昼寝しないで済んだ。ヤーレンズが衝撃だった・・。

適当に退勤、なんとなく「家族ゲーム」をみた。松田優作かっこよすぎか??奇っ怪なストーリーに困惑しながらも見進め、最後の食卓のシーンには面食らってしまった。ちょっとした解説を読んでようやくその意図を理解した。完全に置いてけぼりにされてしまったけど、横並びの食卓の騒乱をワンカットで見せつけられたのは楽しかった。この監督作品は気になるものが多い、「黒い家」「失楽園」「(ハル)」を見たい。

2/1(木)

在宅。暇だったかな〜。

引き続き無限に音楽を流して仕事した。ちょうどM1最終決戦がアップロードされていた。ヤーレンズすごすぎるだろう〜〜。令和ロマンも面白かったんだけど、完全にヤーレンズの方が好み。めっちゃくちゃに好き。テレビ嫌いが加速して、リアルタイムで見るより後日にネタだけ見る方が自分にあっている。

適当に退勤して「キツツキと雨」を見た。役所広司沖田修一監督、これからも見られるかなあ。荻上直子監督との共通点として、自然な会話とながめのショットが好き。愛のある会話をのぞいているような気持ちになれる。恣意的だったり説教じみたシーンがまったくなくて、ただ等身大なだけの人間模様が大好きだ。沖田監督作品も全部見たいなあ。

土曜に見る映画のことを決めた。翌日の金曜のレイトショーでみたいものがあると誘ってくれて、嬉しかった。はやく会いたいなあとベッドの上で左右にゴロゴロ、といった漫画みたいな状態だった。犬みたい。

2/2(金)

仕事。なんか忙しかった気がする。でも夜に恋人に会えるわあ、と思って無敵の状態だった。結果かなり重い仕事がいくつか週明けに持ち越されることになった。しゃきっとしなさい。

退勤して「エル・スール」を一緒にみた。あ〜〜、良かった。本当に良かった。「瞳をとじて」の前の2作品目。「ミツバチのささやき」を吸収しきれなかったけど、この作品は見応えもしっかりあって、とても好きだった。ついに来週の新作公開に思いを馳せる。ビクトル・エリセの新作長編を、彼が現役であるうちに劇場で見られる幸せを噛み締めている。楽しみだ。土日の回はどれも満席らしく、金曜に誘ってくれた恋人に感謝している。

劇場近くの良い感じの喫茶店で軽く食事をした。KIRINJIと折坂のライブに申し込むことになった。一緒に行けたら、どれだけ幸せなことか。当たれ、お金はどこからでも捻出する。

土曜は「ダム・マネー」を見にいく。これも去年からずっと楽しみにしていた作品だ。ふふふ。

・・・

この週、めちゃくちゃに音楽を聞いた。おとぎ話、折坂、Ginger Root、ジッタリンジン人間椅子。そして昔のJpopの数々。恋人の選曲に惚れ惚れする。脳内のプレイリストを、その感性を共有しませんか。

音楽と週報 vol.44 2024/1/20〜2024/1/27

1 人間椅子 42 scrobbles
2 おとぎ話 20
3 シャムキャッツ 15
4 ZAZEN BOYS 9
5 フーバーオーバー 7
6 毛皮のマリーズ 7
7 Yin Yin 5
8 エレファントカシマシ 5
9 モーモールルギャバン 5
10 矢島美容室 5

1/20(土)

先週に通話したアプリの人と会った日。お昼から昨今のブームが到来する前から存在していた老舗の純喫茶で待ち合わせしてオムライスを食べた。その後、「僕らの世界がまじわるまで」を一緒に見た。映画をちゃんと見てちゃんと考えられる人だとわかってうれしかった。ピカデリーに「哀れなるものたち」の広告がでかでかと垂れ下がっていたので、翌週の金曜に一緒に見に行くことになった。本当に楽しみで自分の中の聖域にそっと置いておいた作品だったけど、この人はそれを踏みにじるようなことはしないだろうな、と安心できたので、一緒に見に行きたいと思えて良かった。その後下北沢に移動して古着屋を巡った。王道デートかい。彼女のファッションセンスに惚れ惚れした。あまりお腹が空いていなかったので仄暗い喫茶店に入った。いろいろ話して、「会う前は本当に不安で帰りたかったけど、改めて1日の終わりには初めて会う気がしなかった」と言ってくれた。

映画、音楽をはじめとするお互いを構築している好きなものについて共有して、知らない世界をお互いに教えあった。雨も降っていて尋常ではないくらいに寒かった日。会う前の不安だった気持ちが嘘のように楽しく過ごせた、と言ってくれて良かった。自分もまた、今回の方もまた何か違う特別なものを感じていた。ここまでは割と、これまでの顔合わせと一緒の感覚だったかもしれない一方で、好きなもののラインナップが似ていて、それを強い気持ちで愛でていきたいというスタンスが一致していることは、これまであまりなかったかもしれない。恋愛観についても話し合った。後になってやっぱ無理ですというトラウマを避けたかったので、ちゃんと話しておいた。

人間椅子の音楽と文学性で通じ合える人と初めて出会えて、うれしかった。

1/21(日)

日中は掃除をしたかったけど、前日の疲労が取れなくてうだうだしてしまっていた。夕方からゴダールの「軽蔑」とイ・チャンドンの「オアシス」を連続で見た。「軽蔑」は画がいいな〜と思ったくらいで、内容で迫るようなものがなかった感じ。表現という意味で、現代映画の草分け的な感じがした。

「オアシス」は、もしも自分が健常者だったら、のカットが数カ所あり、それ自体にいろいろと賛否があるようだった。自分は全く気にならず、あの女性が表出することができない、内なる美しさと苦悩を可視化した表現に感動した。そして片山慎三監督に通じるテーマや濁り、人間本来の美しさをまじまじと見つめられる作品で、とても良かった。

かなり遅くになって帰宅、残っていたひき肉でキーマカレーを作って食べて就寝。

1/22(月)

在宅。週末に会った人が紹介してくれたたくさんの音楽をいろいろ聞いたら仕事が終わった。本当に暇でほとんど仕事していなかった気がする。おかげでたくさん聞けた。自分の知らない、そしてとても素敵なアーティストをたくさん知っていて、どれから聞いてみようか迷っている。

夜、「Shall weダンス?」を見た。これも週末の人がベスト級に好きだという映画で、ついこないだ周防監督の良さに気づいたから。結果、終始ボロボロ涙が流れ、わけのわからないくらい泣いてしまった。本当に美しくて、爽やかで、人生を謳歌しようというエネルギーとロマンスが詰まった最高の作品だった。役所広司、すごすぎない?

音楽の話と、「Shall weダンス?」をみた話を連絡してみた。連日LINEでやり取りを継続する、というのが苦手な一方で、関係性がゆらいでしまう期間はある程度連絡をして絆しておきたかった。なんとなく向こうも同じような温度感のようなものを感じられて、良かった。

1/23(火)

出社。チーム長が出社する日だったから一応合わせたけど、いなかったから職場が静かだった。仕事はあまり覚えてない。イ・チャンドン特集を夜から見たかったけど、先輩社員から色々質問されたのに捕まり、ちょっと退勤が遅くなった。自分は定時には出勤しているのだけど、それで朝遅い人が主導する案件とバッティングすると、早めの出社が割りを食うことがよくある。みんなはやく来て早く帰ろうよ・・

1/24(水)

おとぎ話をたくさん聞いた。なんでこれまで聞かなかったんだろう。そもそも、名前を知っていたかどうかすらも怪しい。ZAZEN BOYZの新しいアルバムも聞いた。出社したけど何もなかった日。林芙美子の「浮雲」を読み始め、冒頭からぐんぐんと引き込まれていく。金曜の映画の時間を決めた。彼女が「PERFECT DAYS」を見たと連絡をくれた。仕事中だったけど心が躍った。面倒なトラブルがまたおきた。

アカデミー賞のノミネートが発表されていた。おおかた予想通りというか、まあそうだよね、という感じ。だた「Saltburn」がどこにもノミネートされていないのが意外だった。脚本か主演男優賞くらいには入ってるかなー、と思っていたけど。「オッペンハイマー」はどうなるかなあ。いうほど論争的じゃなくて、戦争というものの意義を問いかけるような作品だと個人的には思っている。流石にノーランがそんな下品な作品を作るとは思えない。

1/25(木)

在宅。久しぶりにモールルを聞いた。モールルが好きだという気持ち、結構忘れがちになる。定時前にこっそり家を出て、すこし離れた古着屋にセーターを買いに行った。いいもの買ったなあ。

その後夜からイ・チャンドン「バーニング」を見た。これは劇場でみないと寝ちゃうなあ。村上春樹原作っていう情報がない状態で見たかったかもしれない。官能的な表現と、主人公の朴念仁な感じが村上春樹っぽいとうか・・まったく知らないんですけどね。とにかくスティーヴン・ユアンの貼り付けたような表情に引き込まれた。「CURE」の萩原聖人みたいだ。

1/26(金)

出社。打ち合わせを2件した。どちらも会話の感じがちょっと自分には合わない感じなのだけど、大事な取引先なので苦労した。2件目は上司が同席してくれたので場が回って助かった。自分よりすこし年上くらいの若い担当者さん、逆に僕のことは年上だと思ってるんだろうなあ、というバツの悪い気持ちになる。舐めた態度をとってすみません。

2件めの打ち合わせが終わって早退し、吉祥寺に。アプリの人と待ち合わせして台湾料理を食べた。ルーローハン美味しすぎる。これまでちゃんと食べたことなかったかもしれない。楽しく話をした。

その後レイトショーで「哀れなるものたち」を一緒に見た。感想をここに書いておくにはとても体力を要するのと、自分のなかにすでに落とし込めているような作品なので、ここで書かないでおく。鑑賞後は魂が抜けたように席から立てなかった。一緒に見た方も人生でベスト級の作品だと言っており、翌日それがフェミニズム的な観点からの共感だったということがわかり、彼女の聡明な感性に惹かれたと同時に、自分も同じ感想を抱いていたので、安心した。

終映後、その辺をぶらぶらと散歩した。寒かった。公園で色々話をし、翌日もまた会おうということになった。この日は集合してからややバタバタしており、深い話をあまりできなかったから、向こうから提案してくれて嬉しかった。寒さに震えながら帰宅、翌日に備えて就寝。

久しぶりにグソクムズを聞いた。昨秋の一件以降、自分はちゃんと向き合えなかった間にメジャーデビューを果たしたりして、離れてしまっていた。今なら聞けると思って聞いたら、しっくりきて良かった。

1/27(土)

お昼、都内海沿いの駅に集合した。コンビニで適当に買って、散歩して、海沿いの誰もいない海浜公園的なところで食べて話した。あのスポット、誰もいないしめちゃくちゃいいベンチ?があるしで、ナイススポットすぎた。行きはてくてく歩いて、戻りはバスにのった。バスで隣に好きな人がいるの、あまりにも詩的で、中学生的で、良い。

バスを降りて植物園に行った。草木の名前と見た目が一致しているような知識はないけれど、ただ居るだけで癒される空間だからすき。お互いにカメラを持っていたので撮りあった。ドーム内に差し込む光がその人を照らして、草木を背に輝いているその姿に見惚れた。

夕方退館し、ちょっと移動した。すこし散歩してお好み焼きを食べた。手狭なお店で真剣な恋愛の話をする雰囲気ではなかったものの、自然と3日目の総括が始まった。あまり何を話していたか覚えていないけど、自分が普段から大事にしている考え方を改めてなぞっていた気がする。一度好きになった人やもののことは、状況的に手放さないといけない場合はあるけれど、一度も好きではなくなったことはない、その代わり特に新たな人に心を開けるかどうか、そこに一番労力を要するし、一度ダメそうと判断したらその人には興味がなくなってしまう、ということを伝えた。その後、何かを自分が話し終えた後、突然告白をされた。この日のうちに何か進展があるだろうなあ、と思っていたけど、まさかお好み焼き屋でとは思っていなかったので、まともに返答できなくて震える声で自分も同じ気持ちだということをからがら伝えた。箸を持つ手が震えてお好み焼きがボロボロになっていったのをよく覚えている。そして退店間際、彼女がお手洗いで叫んでいるのが聞こえた気がした。あれは幻聴かもしれない。

その後のことは詳細に思い出せない、一旦退店をして、改めて自分もその人のことが好きで、その恋愛感情以上にずっと関係を続けられると思えている人だということを伝えた。自分の不安な気持ちも吐露した。相手は、したたかな人だ。背筋を伸ばして、しゃきっとしたい。歩きながら色々話して、今日のところは一旦帰って頭を冷やすことにした。あしたも会う。これからどうなるか、、といつもなら書いている気がするが、この人との関係はきっと成熟するはずだ。

音楽と週報 vol.43 2024/1/13〜2024/1/19

1 人間椅子 35 scrobbles
2 Yin Yin 21
3 YUI 18
4 Saho Terao 16
5 小山田壮平 12
6 ケミカル・ブラザーズ 7
7 フーバーオーバー 6
8 tomoo 4
9 キリンジ 4
10 betcover!! 3

小山田壮平とYinYinのアルバムに心踊った週。ほかは微妙〜

1/13(土)
朝からアプリの人とメッセージでやりとり。話題が多くテンポもよかったため煩雑になり、夜、電話することに。

最寄りの映画館でイ・チャンドン特集をはしごした。「ペパーミント・キャンディ」「シークレット・サンシャイン」を連続鑑賞。韓国ノワールの2作品、どちらも重厚で見応えのある作品だった。特に「シークレット〜」はキリスト教の矛盾に迫る内容で、いつも小説で読んでいた遠藤周作三浦綾子の葛藤が鮮明に可視化されていて、これだよこれこれ、の感じだった。2週にわたって実施してくれているこの上映、全部見たい。

夕方帰宅して餃子を作った。はあ、おいしい。20個ってあっというま。

食後、アプリの人と通話をした。アプリが設けている通話回数制限まで達してしまうくらい話し込んだ。楽しかったなあ。会う予定も取り付け、ホクホクで就寝。

1/14(日)

お昼から会社の元同期と遊んだ。あまりユーモアセンスが共通していないからおもしろくないなあ、と思っていたけど、自分で自分を笑わせるくらいの発言をしようと思って臨んだ。結果、そんなことを考えなくても普通に話し、普通に楽しんだ。

お昼を食べてからボードゲームカフェにいった。ゲームに集中できるから、それ以降はかなり楽しめた気がする。自分、基本どのゲームでも強い。

同期のひとりが三人の共通の知り合いと結婚をしたということで、その話で盛り上がった。本当に興味なくて申し訳なかった。結婚式にも呼ばれてしまい、その場で断れるわけもなく、げんなり。結婚式の誘いをことわれる人ってこの世にいるのかな。あ〜、行きたくない。ボードゲームは三人だと幅が狭いので、今度はその結婚相手も連れてきて4人でやろう!という話になってしまった。本当にやめてください。解散後、その話がLINEグループで盛り上がっていたが、ちょっと本気で嫌だったので返信しなかった。結婚式の詳細もしれっと投げられており、どうにかして時空が歪むことで行けなくなってほしい。

夕方解散するも、夜に予約していた映画の時間までもう一人の同期が付き合ってくれることになった。おいしいモンブランを食べた。その同期の近況を聞いて、一緒に部屋を探したりした。当たり障り、他愛、なさすぎてうけるくらい淡白な会話だった気がする。

夜、新文芸坐で「ソナチネ」を鑑賞。う〜ん、意外と合わなかったかも。。「首」ではそこまで感じなかったんだけど、「アウトレイジ」の沈みきった暗がりが好きすぎて、同じテーマだとしても緊張感が緩む演出がやっぱり気になってしまう。日常そのものが緩くて、そんな中でも任侠を貫きとおした男をテーマにしているんだろうから、絶対に必要な描写なのは間違いないんだけども。。とはいえ、北野監督作品では役者の演技が本当によくって、本作も例に漏れず非常に良かった。

適当に帰宅。就寝。前日に通話した人と人間椅子の話題で盛り上がったのでよく聞いた日。ドゥドゥドゥドゥ・・とマイナー曲のイントロのギターリフを電話越しに言われた時はドキドキした。謎の癖すぎる。

1/15(月)

引き続き人間椅子を聞いて出勤。適当に仕事をして、夕方から「ボーはおそれている」の試写に参加した。かなりの大作かつお気に入りの監督作だし、SNS大喜利感想とも相性がいい監督なので、絶対に早めに見ておこうという魂胆だった。大きなスクリーンで万全の状態で見るのが良いとは思いつつも、結果この選択は正解だと思う。3時間の上映を終え、息も絶え絶えで最寄り駅に着いた。

中華屋さんで頼んだチャーハンの量が完全に狂っており、心身ともに疲労困憊だったのでむさぼるように食べてしまった。胃の処理が追いつかず、就寝してしばらくした夜中、急に腹痛と吐き気に襲われてしばらくトイレにこもった。学生のころもラーメンの食べすぎで中目黒のトイレで戻したことがある。それと同じ。アルコールでも体調不良でもなく、ただの食べすぎで嘔吐する計画性のない人間。この状態で吐くとウソみたいにスッキリする。

1/16(火)

在宅。寺尾紗穂を流しながら仕事した。夜、リメイク版「ベストキッド」を見た。おもしろかった。BGMがめっちゃ洋楽でうけた。仕事終わりにのんびり見るのにちょうど良い作品でした。

1/17(水)

出社。打ち合わせを2件こなすも、それでもなおやや暇だった。最近仕事結構暇なんだけど、それはどうやら自分の処理速度なのかもしれないと思うようになった。それくらい周りがのんびりしている。適当に仕事をこなし、ちょっと残業して退勤した。

小山田壮平のニューアルバムを聞いた。いいなあ。これまで音源化されておらずライブで披露されただけらしい曲も入っているようだ。ちょうどアプリの人と話した時もそんな話題になり、神が手繰り寄せるかのように要素が収束しはじめている。このまますべて、なんとか集合してひとつになれ。

帰宅して週末の予定をアプリの人と相談していろいろ決めた。あ〜〜、楽しみ。

人間椅子と、久しぶりにケミカルブラザーズも聞いた。

1/18(木)

再び在宅。覚えてないです。なぜかYUIの昔のアルバムをめっちゃ流していた。Rolloing Star、いつ聞いても錆びなくていいな。あと大人になってから聞くと、めちゃくちゃいい声しているわりに歌唱力は普通なんだなあ、とか気づく。幾多りらに似てない?

退勤して「汚れなき祈り」を観た。23年新作映画のひとつ「ヨーロッパ新世紀」がかなりよくて、その監督作をみたいと思っていた。カメラワークがほとんど動かない上、ワンシーンワンカットっていう脅威のねっとり感が印象的だった。配信で見ると本当に眠くて、途中15分ほど休憩を挟んだ。坂道を歩いていたはずが、いつのまにか断崖絶壁に立ちすくんでいるような、そんな作品。足を踏み外すと死んでしまうので、前だけを見るしかない。そんな金縛りのような緊縛感を味わわせるものすごい作品だ。ムンジウ監督はメッセージ性や作家性がかなり強いので、その強烈な演出が退屈な方向に働いてしまうのかもしれない。期待はしすぎないようにするけど、この監督が仮にエンタメ要素強めの作品を撮ったら、とんでもない傑作が生まれるだろうと確信している。それくらい、この監督には無限の可能性を感じるし、好きだ。

1/19(金)

YinYinの新盤がリリースされていた。もうすでに24年ベストの一枚なんですが。最高すぎ。

打ち合わせをした。なかなか商談に取り付けないことに焦っているのか、毎回しどろもどろでやや強引なセールスをしてくる人。同席していた若い女性の方はなんとなく気が利きそうというか、精彩を欠いたこの会社に居る理由はなんなんだろう。

適当に仕事をし、適当に退勤した。

朝の通勤中、「放浪記」を読み終えた。めっちゃ良かった。すかさず「浮雲」を読み始めたい。新宿と尾道にある林芙美子記念館にも行きたい。去年末からこの本を読みはじめ、どこで何をするにも自分の心に据えておきたい一本になってくれた。日記をつける習慣もこれでより一層楽しみになる。

帰宅してチャーハンを作って、これを書いている。今日は早く寝たい。

音楽と週報 vol.42 2024/1/6〜2024/1/12

1 寺尾紗穂 29 scrobbles
2 easycome 21
3 Thee Michelle Gun Elephant 11
4 矢島美容室 9
5 東京スカパラダイスオーケストラ 8
6 Attwenger 4
7 Confidence Man 4
8 The Hives 4
9 キリンジ 4
10 ザ・おめでたズ 4

寺尾紗穂にはまった週。

1/6(土)

朝一の回で「レザボア・ドッグス」リマスター版を鑑賞。おもしろかった。おもしろかったんだけど、あまりにもタランティーノが及ぼした影響が普通になってしまっている現在のことを考えると、こういう黎明期の映画をリアルタイムで体験することって大事なんだなあ、と実感した。これからの新作もその鮮度を意識したい。

スティーブ・ブシェミがめちゃくちゃいい役でほっこり。

最寄り駅に戻るも時間が微妙に空いていたので、「名探偵ポアロ ベネチアの亡霊」を鑑賞。あまり期待してなかったし、ミシェル・ヨーが早々に退場してしまったが、手堅く楽しめる作品だった。息子役の子がドンズバにタイプで、よかった。ポアロ役の人ってケネスブラナー本人だったんだ。

帰宅して「ブラック・スワン」を見た。「ザ・ホエール」を信奉する一方でこの作品を見てないなんて!よかった。よかったんだけど、幻覚がストーリーラインの中核を担ってしまう洋画が多くて、ちょっと入り込めない時がある。

この日、京都在住の女性からアプリでいいねが届いた。顔もわからず、居住地も全く違うのだけど、「心の交流がしたい」というメッセージに惹かれて好奇心で繋がってみた。ちょっと通話をした。お互いがお互いのエリアに行く用事があれば会いましょう、こまめに連絡を取り合いましょう、ということになったが、そんな丁寧な人間関係を自分が築けるわけもない。その人の暮らしぶりや仕事の話がめちゃくちゃにユニークで面白かったので、東京に越してきていただければなあ、と思った。

1/7(日)

ウメブラを見て、夕方からA24特集「ゴッズ・クリーチャー」を鑑賞。これは特集上映の1本にするにはもったいない良作だけど、たしかにA24のフォーマットを用いてそれっぽく見せているだけ、というレビューも納得できる。でもポールメスカルとエミリーワトソンの共演っていうだけ大満足なんだが!ポースメスカルのさわやかクズ男感、たまらない。

夜、何したか覚えてない。

1/8(月)

映画館に行っていない日。引き続きウメブラを見て、途中の暇な時間に「ヴィーガンズ・ハム」を見た。愛すべきくそ映画と思いきや、フランスのきわどい皮肉がたくさんあって、完全に一線超えてない?と思われるシーンがいくつもあった。身内でやる分には許されるのかな。

夜、「アメリカン・ビューティ」を見た。ソーラ・バーチって、この映画を見るに当時はかなりセンセーショナルな女優さんだったのかな・・まさかトップレスになるとは思わなかった。合成かもしれないけど。そしてドリームワークスってこんなにエッジーな作品もやるんだ〜、と謎の感心していた。

1/9(火)

仕事始め。出社したら人が多かった。全員出社したら部長のところまでツカツカ歩いて行き、わざわざ年始の挨拶をしていた。王様みたいだ。自分は出社してから普通に無視していて、(もしかしてこれルールなのか?)と勘ぐって嫌な気持ちになり、たまらず挨拶しに行った。やはり、あまりこちらを見てくれなかった。くそめ。

仕事のことは覚えてない。

1/10(水)

在宅。適当に仕事して、夜「レインマン」をみた。こりゃ、、よかった。

祖母がよくつくっていたじゃがいものガレットのことを最近思い出し、余っていたじゃがいもで作ってみた。お店で出せるレベルに仕上がってよかった。

1/11(木)

出社。人が少なくて快適だった。やめた後輩くんから仕事を引き継いだ先輩社員が、僕にしきりに質問してきて若干鬱陶しかった。調べてください。でも周辺知識がまったくない状態で突然大量の仕事が舞い込んだら、一番効率いいのって自分で調べるより人に教えてもらうことだよなあ。自分に状況を置き換えてみると、マニュアルだの引き継ぎ書を調べる時間すら惜しく思った時が多々あった。効率主義的なところがある自分としてはその点をないがしろにできず、ちゃんと丁寧に教えている。えらい。厳密には別のチーム同士なので、自分は別チームの仕事にまで足を突っ込んでいることになる。直属の上司にも看過してもらっているが、近々業務の整理が入るらしい。線引きがはっきりするのか、僕の仕事量が少ないから、と目をつけられるのか。違うんです、仕事が早すぎるだけなんです。みなさんと世間話している間もずっと仕事しているんです。

夕方、直近のパルムドール受賞作を試写で鑑賞した。試写用の劇場だったので環境があまりよくなく、仕事終わりだしちょっと体力を浪費した。内容もかなり集中しないといけず、疲れた。

しかし、これはとんでもない可能性を秘めた作品だと思う。前作「逆転のトライアングル」とかなり似たような批評性を内包しているが、表面上のエンタメ性がまったくないのが面白い。そしてもっとも恐ろしいのが、その可能性についての考察が完全に視聴者にゆだねられていて、ある種の参加型というか、前のめりに映画鑑賞できるモチベーションがないと、絶対退屈に思える構図だった。どんな評判になるのか、楽しみだ。

1/12(金)

29歳になった。毎年家族から連絡がある。適当に仕事をこなして、退勤。

年末に会った前の部署の同僚たちと再び集まり、誕生日を祝ってもらった。何年ぶり??自分の誕生日を家族以外に祝ってもらったの、まじで10年ぶりとかかもしれない。祝うといっても自分の話にはまったくならず、ただただくだらない話でゲラゲラ笑って解散。この二人のおかげでかなりポジティブであることを学べている気がする。社会に所属できる感覚を得られる。ありがたいなあ。

この日の早朝、マッチングでとあるいいねが届いていた。ひとまずお礼と軽い挨拶だけしたら長文で返信をいただき、その内容に目が丸くなった。仕事の合間に適当に返すわけもいかず、帰宅してのんびり返信した。趣味や好きなことだけではなく、それを人生の中枢に据えて生きていきたいと思うつよい気持ちが共通している。さすがに誕生日にこんなことがあったら、運命を感じますよねえ!?シンプルにこの偶然を喜ぶ気持ちもありつつ、(絶対に口外してはいけない、キモい)という気持ちから、内なる夢想癖を必死で抑えている。にへらにへら。ファッションも洗練されていそうでとても好印象だ。さあ、マッチングアプリ シーズン4?シーズン5?のスタートのようです。今回はどうなるか。

 

週末からイ・チャンドン特集がはじまる。日曜は前の部署で一緒だった同期入社組と会う。ユーモアセンスが違うから、会いたくない。

 

音楽と週報 vol.41 2023/12/30〜2024/1/5

1 Thee Michelle Gun Elephant 63 scrobbles
2 Round Table 11
3 tomoo 9
4 吉澤嘉代子 7
5 Attwenger 6
6 Cajun Dance Party 6
7 mihimaru GT 6
8 The Wisely Brothers 4
9 ぎがもえか 4
10 くるり 4

 

帰省中はあまり聞かなかった。それ以外はずっとミッシェルを聞いていた。

12/30(土)

前日の忘年会で体力を消耗しきってしまったので、お昼頃起床。そのまま週報を書いたりした。夜、「ストレンジ・リトル・キャット」を観た。「ジャンヌ・ディエルマン」の現代的解釈といった映画だった。

書きためていた23年新作映画をブログに起こした。

それ以外の記憶が何もない。のんびり過ごしていたんだと思う。

12/31(日)

実家に帰った。日帰りもできるくらいの距離だけど、都心から少し離れるというだけで一気に街の造形が鈍く見える。母親の料理は相変わらず美味しくてうれしい。仕事の調子のことを話した。映画の話になって、父親がPERFECT DAYSをみたい、小津安二郎が好き、ということを教えてくれた。そういう会話をもっと小さいころにしたかったんだけど、10代のほぼすべてを単身赴任のため父親がいない状態で過ごしたのを少し惜しく思った。親子の仲もそうだけど、夫婦の仲が最悪だった家庭環境で思春期を過ごしたあの辺の記憶、ごちゃごちゃしている。

ちょうど録画してあったという「東京物語」を父親と一緒に見た。23年映画納め。笠智衆がかっこよすぎて、泣いた。

実家では常にテレビが付いていて、バラエティ番組を全く面白いと思えなくなったと改めて実感した。日付が変わる前に寝た。

1/1(月)

おせちとお雑煮を食べた。23年公開映画ベスト10のブログを更新した。地震が起きたときは、母親と「チャーリング・クロス街84番地」を一緒に見ていた。途中で寝た。母親はなぜこの映画をみたいと思ったんだろう。

地震が起きたことに気づかなかったが、ツイッターの様子等でだんだんと事態の深刻さがわかっていって嫌だった。暗いニュースが起きたときのツイッターの雰囲気が嫌いすぎる。何処の馬の骨かもわからない人たちのツイートがうるさいんだよなあ。黎明期からツイッターをやっていたので、昔は災害関連も含めてこんなにギスギスしていなかったよね。

確か日中、小学生のとき仲よかった同級生が実家の前を犬を連れて散歩していて、軒先でタバコを吸っているところお互いを認識して挨拶した。結婚して、家も買って、犬も飼って、順調ですなあ。でもこんな町によく住めるな!不便な沿線の最寄り駅まで徒歩20分ですよ!?コンビニ行くにもそのくらいかかるのに!

それと、横浜の海の方まで家族でドライブしにいった。一人暮らしをはじめてから親との距離感が絶妙で心地よい。やはり近すぎたんだなあ。

夜、「ミーガン」を見た。やっぱりあまり面白くなかった。こういう雑に見るのに最適。

1/2(火)

なにも覚えてない。。夜、すき焼きを食べた。美味しかった。

夜、「女王陛下のお気に入り」を見た。ランティモス先生の長編で唯一見ていなかった。ああ、「哀れなるものたち」が楽しみすぎる。

姉・甥っ子とビデオ通話したりした。甥っ子が名前を覚えてくれた。1日中暇だったなあ。

1/3(水)

昼から「ポトフ 美食家と料理人」を見にいった。24年にこぼれてしまったけど、これは23年のベスト10に入るくらい好みだった。同監督作品の「ノルウェイの森」を見たときは当時高校生で、彼女と一緒だったのを覚えている。自分は「トロン」を見ようと言っていたのに、彼女のすすめ?で見たのも覚えている。官能的な作品だったし、脈絡も何も理解できないままだった終映後、二人して難しかったね、と言ったことも覚えている。お互い雑なおつきあいをしたと思っているけど、彼女、元気かしら。

市街地の方に出たので、自分の殻を破ってみる、生き方の可能性を探ってみるという目的で風俗店に行ってみた。高いお金を払ってまで、という損得感情は特になかったけど、すべてが虚構の空間でそんなことをされても、と相手をしてもらっていた間もずっと上の空で落ち着かなかった。ずっと冷めていて「え、イカせるから・・」と教科書通りのような猫なで声を聞いて、気持ち悪くてぞわっとした。結局最後も自助努力。「奨学金返さないといけないんだよね・・」とか聞いてもないことも話され、まんますぎてちょっと笑ってしまった。リピートするため、リピートされたいために風俗店にいる自分をキャストもゲストも演じていて、それも楽しいのかなあ。みなさん演技が上手です。

恋愛できない上に性欲があるものだから困っていたけど、お金を払ってサービスされても全く満足できないことがわかった。学生のころ連れていってもらったこともあったけど、あの当時はまだ人生がここまで暗いものだとは思っていなかったな。そろそろ本気で諦めた時の人生を考えるようにしなければ思っていて、その場合の性欲との付き合い方も避けては通れない。性欲が弱いという自覚は特にないけど、関係性がゼロの状態で見ず知らずの人としても自分は満足できない、ということを知った。自分をないがしろに扱ってしまわないためにも、これはとても良い気づきではないでしょうか。トイレでめちゃくちゃに手を洗ったし、家でお風呂に入ったときもいつもより丁寧に体を洗った。なんか潔癖化していないか、自分・・

アプリでマッチングした人との会話も虚構だった。中身がなくて、無味無臭すぎる。

1/4(木)

お昼にピザーラを食べて、少し休んで世田谷に帰った。実家からおすそ分けしてもらった高い牛肉でカレーを作った。

「リトル・ジョー」を見た。カンヌの女優賞を獲った作品なのにあまり話題になっていないな。BGMがとにかく怪奇なのが一番印象に残っている。エンドロールの曲もかっこよすぎて、見終わった後いろいろディグって見つけることができた。

1/5(金)

仕事始め。自分は有給を取っていた。にも関わらず、チームメンバーが同じく全員有給を取っていたため、急遽自分の案件の年越しトラブルを対処するために午前中に出社。前の部署だったら有給だろうがなんだろうが年中無休かつ自由な働き方でやっていたけど、さすがに現部署でそれをやる人はいなさそうだから、緊張した。上司にこっそり今日有給なんで・・と伝え、トラブルシューティングを済ませてお昼すぎに退散。

その足で「ミツバチと私」を見に行った。主演の子、すごいなあ。実際8歳の子供が自分の性別で思い悩むことってあるのかな?あると思っていた方が良いね。途中寝たけど、良い作品だと思う。でもスペインの映画ってなんとなくプロットがぶつ切りになっている印象がある。行間が離れている時がある。

スタバの店員さんが聾唖?の方だったのか、注文を指差しでしなければならなかった。最初は全く気づかないで喋ってしまっていたことにちょっとばつが悪い気持ちに。「ミツバチと私」でも同じだけど、初対面の人間全員に対して、すべての可能性を考慮したコミュニケーションを試みるのは不可能ですよね。どうしたものか。

帰宅して肉じゃがを作った。おいしい。ずっと見ようと思っていた「それでもボクはやってない」を見た。140分ほどある作品なのに、全く長さを感じさせなくて、緊張感やリアリティをまじまじと感じられてとても好きだった。役所広司って本当にいいな・・・!!あと田中哲司の顔面が好きだと気付いた。

 

3連休、あまり新作も旧作もラインナップが充実していない。

 

2023年 映画まとめ - その2 下半期に観た旧作と新作ベスト10

 

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Part1はこちら。下半期に見た2023年新作の感想です。

Part2は2023年下半期に見た旧作32本と、今年のベスト10を書きます。

2023年下半期に見た旧作たち

★が付いている作品は劇場で見ることができて良かったなあ、というお気に入り。

アメリ

インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア

エクソシスト ディレクターズカット版

★おーい!どんちゃん

牯嶺街少年殺人事件

ゴーストワールド

こわれゆく女

ツィゴイネルワイゼン

バッド・チューニング

ミツバチのささやき

ロング・グッドバイ

悪い子バビー

・・・

以下、監督特集の一環で観た作品たち。

アケルマンはもっと観たかった・・

ギャスパー・ノエ

 アレックス

 ★クライマックス

シャンタル・アケルマン

 ゴールデン・エイティー

 ★ジャンヌ・ディエルマン ブリュッセル1080、コメルス河畔通り23番地

 一晩中

デヴィッド・クローネンバーグ

 ★ザ・ブルード 怒りのメタファー

 ビデオドローム4Kディレクターズカット版

メーサーロシュ・マールタ

 アダプション ある母と娘の記録

 ドント・クライ プリティ・ガールズ!

 ★ナイン・マンス

 ふたりの女、ひとつの宿命

 マリとユリ

ライナー・ヴェルナー・ファスビンダー

 不安は魂を食い尽くす

 マリア・ブラウンの結婚

ラース・フォン・トリアー

 イディオッツ

 ★アンチクライスト

 エレメント・オブ・クライム

 ★奇跡の海

 ★メランコリア

 キングダムⅠ&Ⅱ

 ノクターン

これらの他、「RRR」「トップガンM」「ある男」など、2022年に公開された準新作を2023年の上半期にいくつか観た。

上半期は再上映やリバイバル上映にほとんど行っていなかった。

24年はもっと行く機会を増やして、足りない周辺知識をカバーしていきたい所存です。

年明け早々に「レザボア・ドッグス」が上映なのがね!いいよね!

2023年ベスト10本

そして今年のベスト10を決めました。

ベスト3はほぼ不動ですが、それ以降はある程度入れ替わってもいいかもな。

とりあえず9本選びました。

ザ・ホエール

イノセンツ

ほつれる

あしたの少女

ザ・フラッシュ

エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス

王国(あるいはその家について)

マルセル 靴をはいた小さな貝

ミュータントタートルズ ミュータント・パニック!

・・・

ここまではスムーズに選べたんですが、最後の1本だけ選びきれなくて、以下の5本で迷っていました。

キラーズ・オブ・ザ・フラワー・ムーン

長すぎて疲れた記憶もちょっとあった気がするけど、やはり色々なメディアで2023年No.1と言われているだけあるよな・・。200分間続いた絶妙な緩急に緊張したり弛緩したりですさまじい疲労を感じたが、エンロドールへ繋がっていくラストの空撮、あの解放感が忘れられない。

怪物

特に忖度は働いていないように感じたが、なんか素直になれない自分がいる。ちょうどすぐ後に「CLOSE クロース」が公開されたことも影響している。2本セットで考えたい。でも是枝監督作品の役者や演技って本当によく見えるよね・・演技やセリフの自然さって個人的にとても大事にしている要素で、是枝監督は毎回ツボを突いてくるのです。

逆転のトライアングル

もっと目が肥えてから観たかったなあ。この公開後にエブエブが重なったりしてあまり話題にならなかった気がするけど、パルムドール受賞作だし、あの内容は唯一無二すぎるし、とんでもない質量だったよね。

ショーイング・アップ

これはちょっと自分の個性を出したくて候補に選出した。意外性が理由という訳では全くなく、敬愛するケリー・ライカート作品の中でもっともモダンで、見やすかった。12月の終わりに観たし、記憶にも新しい。なんかめっちゃ好きなんだよね~

Saltburn

これも12月作品で記憶に新しい。高評価の理由はすべてバリー・コーガン。あと「グランツーリスモ」の主演だったアーチー・マデクウィもめちゃくちゃ良かったんだよね。。物語としてではなく、キャストがみな好みだったというか。

・・・

うーん。「KOTFM」「怪物」の二択にまで絞れて、いま色々調べてみたけれど、「怪物」の受賞式で是枝監督がLGBTQとしてではなく、あの年齢の子供たち特有の葛藤として押しなべてほしいと言ったらしいのが好印象だ。

jp.reuters.com

I didn't want to focus in on that so much, I didn't want to think of it as a special kind of relationship," he told Reuters.

"I thought more (about) if I managed to show the feelings and the pain of your really good friend, the one person who understands you, moving away, and then creating that distance.

jp.reuters.com

これは素晴らしいと思います。

神童 柊木陽太くんとの衝撃的な出会いも考慮して、最後の一本は「怪物」にします。

改めてこのようなラインナップで今年のベスト10にします。

なんとなく序列ついています。

このベスト10に入れてもいい作品はほかにもいくつもあるから、割とこの数日の気分で決めていますが。

ザ・ホエール

イノセンツ

ほつれる

あしたの少女

ザ・フラッシュ

エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス

マルセル 靴をはいた小さな貝

ミュータントタートルズ ミュータント・パニック!

怪物

王国(あるいはその家について)

A24強いな・・

ちなみに、旧作の上映も含めるとまたラインナップが変動する。

『ジャンヌ・ディエルマン ブリュッセル1080、コメルス河畔通り23番地』

『おーい!どんちゃん

ゴーストワールド

ミツバチのささやき

とかが入ってくるんだけど、普通に往年の名作の上映が重なっただけなので、23年新作と肩を並べてベスト10に入れるのは節操がない気がする。

そして新作では、「TAR ター」「枯れ葉」「ダンサー イン Paris」なども10に入れたかった。「イニシェリン島の精霊」も23年頭に公開されて、後発の作品に埋もれてしまっている感じがしている。めちゃくちゃ良い作品だったんだけど。

そしてこの段落を一番最後に追記しているんだけど、いま「TAR ター」を再生しながら書いている。バッハのくだりがあまりにも良すぎて、トップ10に入れたくてしょうがない。書き直す体力がないので諦めますが・・

2024年公開予定新作で気になるもの

さて2024年も目白押しですね。気になる作品を並べてみます。

哀れなるものたち

楽しみすぎてツイッターでキーワードをミュートした。ランティモス先生、どうぞよろしくお願いします。全身全霊をかけて鑑賞します。

瞳をとじて

ヴィクトル・エリセは今年『ミツバチのささやき』を観てからずーっと頭の片隅にある。耽美な物語のすべてを自分のものにしたい。好きというか、好きになりたい。

僕らの世界が交わるまで

「ザ・ホエール」と本国では同時期に公開されていた気がするんだけど、なぜか日本公開が遅れたな。「ザ・ホエール」のセイディー・シンクと「ストレンジャー・シングス」で共演したフィン・ウルフハードが主演なので、楽しみにしています。

ゴーストバスターズ フローズン・サマー

フィン・ウルフハードといえばさあ!これです。マッケンナ・グレイス様のために見に行くんですけどね。ビル・マーレイもいるかな?

52ヘルツのクジラたち

これはキャストがやばいですよ。小野花梨宮沢氷魚杉咲花ですから。でも主題歌Saucy Dogなのが不穏すぎる。絶対にちょこざいな演出であふれてる。今から「カレンダーの赤丸」を予想しておく。

・・・

ゴッドランド

あらすじが良い。

パストライブス/再会

A24のロマンスをあまり見たことが無い。どうやら賞レース確定レベルの良さらしい。

スパイダーマン:ビヨンド・ザ・スパイダーバース

日本でも24年に公開ですか?

ボーはおそれている

たぶん年明け早々に見ます。試写で。

オッペンハイマー

意外と論争的ではないという予想をしている。

ガザ・サーフ・クラブ

ドキュメンタリー。気になる。

ダム・マネー ウォール街を狙え!

ポール・ダノを観たい。

落下の解剖学

楽しみすぎて死にそう。

12日の殺人

「悪なき殺人」も見たいんだよな!

悪は存在しない

濱口監督の過去作品、観ないとダメですか。

違国日記

今年の「正欲」の新垣結衣、めっちゃくちゃ良くてびびるよね。

ジョーカーの続編

もうジョーカーとバットバースくらいしかDCに期待できるものがない。

こんなもんですか?リバイバル上映も今年以上に盛り上がるだろうし、引き続き映画館に籠る年になりますね。楽しみ!

最初に入れたかったけど誰も気にしないネタバレ回避のために最後へ

 

今年もよろしくお願いします。

2023年 映画まとめ - その1 下半期に観た新作

2023年下半期は新作58本を観た。うち3本くらいは上半期公開でした。旧作を含めると劇場で観たのが80本くらい?配信分も含めると150本くらい?年間通算だと250本くらいかな???そんな感じです。

さて、下半期に見た新作映画の感想をちょっとずつ載せます。50音順です。

ちなみに上半期の新作まとめはこちら:

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あまりにも長くなってしまいそうなので、作品のリンクは貼らないことにした。

 

1.    658km,陽子の旅

    菊地凛子の演技をまじまじと見たのは本作が初めてだったかもしれない。社会にうずもれて精彩を失った人間も、その復活劇も、上手だった。邦画はなんかヘンなSF映画にばかり出演しているイメージだったから、こういうミニマムなヒューマンドラマで本領を感じられてうれしい。物語の流れは所々おかしな点もあったけど、最後には目頭が熱くなるいい作品だったな。これを7月にみて今年の映画賞レースの女優賞間違いなしでしょう、と思ってたら12月「市子」の杉咲花に覆された。

2.    愛にイナズマ

    同時期に公開された「月」とは対照的な明るい石井裕也監督作品。松岡茉優には圧倒されっぱなしで、「勝手にふるえてろ」のような粗野な演技が似合う似合う。しおれた佐藤浩市に思わず驚くも、芯のある初老男性には最適なキャスティングだったな。一方でプロデューサーのキャラデザやチンピラ詐欺集団の会話など、石井監督が描写する「悪」があまりにもしっくりこないのが本当に気になる。総じていい作品だけど、もっと爆裂するような何かが欲しかった気もする。言い方が悪いが、お利口な作品。

3.    朝がくるとむなしくなる

同日公開の「女優は泣かない」のあらすじと、本作の唐田えりかが重なって気になっていた。特に見たくて見た作品ではなかったし、こういう邦画によくある全体的にダルい感じが続いた。ただ、即興か?と思わせるような無味無臭の会話が興味深かった。あまりにも「絶妙な距離感の女子たち」の会話のリアリティがすさまじく、「演出や脚色が無さすぎるのもなんだか恥ずかしいなあ」と思ったくらい。

4.    あしたの少女

    個人的に大満足している作品。何の気なしに見たので、後になってからじわじわと評価が上がってきている。とにかく、責任の所在が明らかにならず断罪されない結末にモヤモヤすると思いきや、この物語全体のプロットと「Next Sohee あしたの少女」というタイトルにふさわしい至極のラストが待っていた。孤立を許さないための対話と寄り添いの重要性を説いた大傑作。演出過多なシーンも見受けられたものの、間違いなく今年のベスト10に入る。

5.    アステロイド・シティ

    個人的にウェス・アンダーソン監督の作品にはハマったことが無かった。シンプルな物語をただ複雑にさせていて、疲労の割には物語から得られるカタルシスや登頂感みたいなものがないから。しかし本作、そもそも「アステロイド・シティ」という舞台が劇中劇だったこと、それを利用して時系列を欺いていたこと、その2つが作用して物語が深まっていたように思える。「演じること」という真のテーマを舞台裏パートで、しかもモノクロで進行させたのはかっこいい。とはいえ、全体的な理解度は60%くらいだと思う。

6.    市子

    ダルめの邦画を予想していたんだけど、想像以上に硬派で度々見入ってしまった。「さがす」「ある男」との関連性もあり、この辺のテーマだと邦画特有のアーティスティックな演出の入り込む余地がなく、好みの仕上がりになりがちなのかもしれない。その点「月」は演出過多でめちゃくちゃにダルかったわけだが。ちなみに杉咲花の演技は恐ろしいほどに魅力的。「忘れたければ忘れればええし、忘れたくないなら忘れなければええやん」の声色や表情が蠱惑的で、食い入るように演技を見た。とはいえ記憶に残るタイプの強烈な映画ではなかったかも。それくらいあっさりしているのがまた高評価でもあるのだが。

7.    イノセンツ

    今年ベスト級の一本。童夢は全く見ていないのだが、子供たちの心の機微を中心に、あくまでも超能力は味付け程度になっていた印象で、それが素晴らしかった。能力バトルに振り切っていたら完全に下品だったし、団地や自然といった大型の背景とちっぽけな子供の対比も分かりやすい。さらには団地の内外で変化する自分のポジションに耐え切れない子供たちの心の模様を細かく描いていて、最高傑作だ。

 

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8.    ヴァチカンのエクソシスト

   公開から数か月遅れて、元祖エクソシストとの2本立てで見た。想像以上にアツい話で、古き良き除霊っていうより「来る」みたいな能力バトルに近い感じ。劇場で見られてよかった~ あまり思い出せることもない、ファストフード的映画。個人的にマーベルの映画ってこういうイメージ。

9.    ヴォルテックス

  従来の手法をまろやかかつビターに使ってきて、オープニングとエンディングには思わずため息。二分割された画面構成の中を交差して行き来する会話劇は正直寝落ちした。鮮烈すぎる映像表現に圧倒されるかな、と思って身構えてたけど、ゆるやかな下り坂が続く非常にスローな映画で肩透かしを食らった気分。とはいえ、愛の定義を問う素敵な作品だとも思う。

10.    宇宙探索編集部

 予告やデザインに惹かれた中国作品。決して雑な作りではないし一貫しているものも発見できたのだけど、オカルトなのかヒューマンドラマなのか分からないのが痛かった。あと1歩何か足りない、とっても残念だけど愛すべき作品だった。

11.    王国(あるいはその家について)

 いや~~、すごかった。明らかに実験的な映画で芸術家的な観点から制作されたものなのだけど、一方アートに振り切れることなく、ちゃんと映画としてギリギリの体裁を保っていたような気がする。そのバランスが本当に絶妙だった。なんというか、自分で難解な解釈をきちんと工面できたモダンアートって、めちゃくちゃ気持ち良いじゃないですか。それと同じ感覚。カメ止めと似たようなメタ構成だから口コミバズりするかなって思ったが、さすがに初見殺しが過ぎる。

12.    オオカミの家(+骨)

  SNSで話題になっていたやつ。アニメーションやストップモーションといった、あらゆる表現を実践している作品。たしかに前衛的ではあるが、ちゃんと統率は取れていて面白かった。ストーリーの奥深さやホラーとしての不気味さは特段感じられず、ただその巧みな表現に見惚れるだけだったかも。その点、死体をもてあそぶ少女がテーマになっている同時上映の「骨」の方が見応えという点では勝ったかもしれない。申し訳ないが、「Beau is Afraid」の前哨戦という位置付け。

13.    終わらない週末

   急にツイッターで話題になったNetflix配信作品。これ、なぜ劇場公開しなかったんだろう。結構相性いいと思うんだけどな。内容としては特に目を張るものではなかったけど、手軽で雑に見ても楽しめる作品。尺としては長めだけど細かく章立てもされているので、本当に家で視聴されることを意識しているのかも。シャマランの設定と、ジョーダンピールの画や音、そしてHBOが製作したかのようなブラックコメディが合わさった感じ。イーサン・ホークが良すぎ。

14.    君たちはどう生きるか

  ジブリの様式美が全部詰まっていて面白かった。何より、めちゃくちゃヌルヌル動く画と、アフレコが上手な俳優陣に満足した。声優って要らないなあ、と持論(極論)を支えてくれて嬉しくなった作品。声優って究極、作品のクオリティアップにはあまり寄与しないよね。声優が下手だと気になるけど、声優がいくら上手でも、俳優として自然な演技ができるかどうかの壁を越えてこない。というか、俳優と区別する必要性を全く感じられないっていうか。吹替は今後の人生で自らの意志をもってみることはないだろうし、アニメもそこまで好きなものは多くないし、なんでもいいんですけどね。

15.    キラーズ・オブ・ザ・フラワー・ムーン

 なが・・くない!実尺200分、体感120分。ストレスなく200分の大作に沈み込む快感を味わえる。何より、ワシントンD.C.からの捜査員がドアをノックするシーン、あの直前で完全に気持ちが途切れそうになっていた。そしてあのノック・・ドアを開けたら・・ですよ。あれは本当にすごかったな。一瞬で目が覚めて身体を前傾姿勢に起こした。この作品が持つ質量を、真向からスクリーンで体感するという映画体験ができて良かった。

16.    キングダム エクソダス<脱出>

  映画ではないが一応劇場で観た新作ということで・・。ほとんど覚えてないんだけど、いつ姿を消してしまうか分からないトリアー監督の新作っていうだけでも見て良かったなあ。かなり大衆に寄り添った結末も好印象で、何より彼のコメディセンスに光るものを感じた。「ボス・オブ・イット・オール」をスクリーンで見逃したのが痛い。15時間のシリーズ一挙上映に参加したのでディテールはほぼ忘れたに等しい。どうやらものすごい体験をしたんだな、というすべてが煮詰まった後の濃い味の記憶しか残っていない。オカルトホラー×ブラックコメディの骨太ドラマシリーズとして、最高の幕引きだろう。

17.    首

 「アウトレイジ」は超えてこなかったんだけど、大満足ですね。あの加瀬亮を見られただけでも万々歳だ。あとこのレベルの規模の実地撮影に力を入れられる邦画はもう存在しないと思っているので、そういった意味でハリウッド的というか、邦画やるやん!という力強さを感じた。それと、全くコメディを想像していなくて、急に満員の劇場で笑い声が響いたとき「え?」とびっくりした。笑いどころが分からなかったというか、極限状態でおどける演出的な感じかと思っていた。それを瞬時に笑える北野武ファンに脱帽。そして「あ、笑っていい作品なんだ」と気が付いてから肩の力が抜けた。だからこそ加瀬亮の狂気がより作品を引き締めたんだと思う。メリハリすごかったよなあ。

18.    熊は、いない

 めちゃくちゃいい作品のはずなんだけど寝た。。時期が悪かった。しかも結構大事なパートで寝ていたっぽくて、かなり消化不良のまま終わってしまった。最悪。もう一度最初から鑑賞できるほどのエンタメ作品ではない。一番寝落ちしたらいけない作風だったよ。。。

19.    クライムズ・オブ・ザ・フューチャー

 クローネンバーグ特有のゲテモノを期待したら肩透かしを食らった。「そっか、パフォーマンスアートだもんな」で大方納得できてしまう程度の不気味さ。「ビデオドローム」や「ザ・ブルード」のような爆発力も、「裸のランチ」のようなトリップ感もなかったかな。個人的には合わない作品だった。

20.    グランツーリスモ

 今年のトップガン。人生には残らないタイプの、刹那的な作品。大スクリーンのIMAXで見たので、そういう方向の映画としてバチバチに面白かった。前傾姿勢になって食らいつくように観たと記憶している。ふつうに大満足だけど語ることが特にない・・

21.    CLOSE クロース

   「怪物」と比較してしまう。こっちはとにかく近い。怪物は観客を楽しませるためにサスペンス要素が盛り込まれた群像劇だったけれど、本作は少年のまなざしを直視しなければならず、「おもしろかった」とはとても簡単に思い浮かべられるものではない。心が痛んで軋んで、涙が溢れる。これ以降の今年の似たような作品には全く食指が動かなったくらい、誰にも邪魔されたくない大切な一本。なのに武蔵野館は字幕が見にくくて、ほんとうに劇場選びを間違えて後悔!(なんかクレームジジイみたいだ)

22.    ゴジラ-1.0

 今年のワースト候補ですね。ダメでした。ただ、万人からバッシングを受ける駄作ではなく、あまりにも自分自身の観点に刺さるものが何もなかったというのが理由。地上波のバラエティー番組が常にうすら寒い感覚。「うおおおおお!!!」って叫ぶと機関銃のヒット率が上がるの、めちゃくちゃおもろい。あと膝から上がすべて海面から出ているゴジラの浮力、どうなってんだよ。この作品を語るのであれば、とにかくいじるか、演出過多のくどさを批判するかしかない。まじで合わなくて気絶しそうになった。海外メディアでSuperhero Fatigue(スーパーヒーロー疲れ)という記事が公開されていたけど、本作のアメリカでの大ヒットが作品自体の高評価につながっていて、「いや、日本人からするとゴジラ-1.0はSuperhero Fatigueだから!」と言いたい気分。水のVFXはめちゃくちゃすごかった。

23.    最悪な子どもたち

 あらすじの「え、おもしろそう!」と、本編冒頭の「おお~いい感じ!」、それだけ。急に終わってしまった。でもテーマとか映像とかは良くて、本当に「え、終わるの?」と落胆する時間も与えられないまま急にはしごを外された気分。たしかに子供たちの演技は素晴らしかった。地域に根差した作品なのに何故不良の子らをピックアップして評判を貶めるようなことをするのか、という住民の問いも興味深い

24.    ザ・キラー

 デヴィッド・フィンチャーのファンとしてかなり期待した。けど、全体的にあっさりしていたなあ。彼の作品特有の、画的には静かなんだけど核心に迫るときの「ドキドキドキドキ・・・!!!」っていう鼓動の早まりを感じたかったんだけど、無かったな・・。The Smithsの劇中歌をふんだんに使用していて、そこが一番良かったかも。

25.  サンクスギビング

 「グリーン・インフェルノ」の監督新作。前作よりもかなりマイルドに見えた。そもそも未開の食人部族と、アメリカのシリアルキラーの話じゃあインパクトが違うしね。こういったスプラッター系の映画は今後配信で十分だな、と思った作品。

26.    サントメール ある被告

 黒人・母・移民という3要素にどれも寄り添えず、ずっと他人事のような傍聴をしていた感覚。でもそういう人に向けて最終弁論があり、あの長回しのカットはそのために練られたのかと思うと、裁判のおもしろさをちょっと感じた。

27.    シアター・キャンプ

まさかのフェイクドキュメンタリー。キレキレのブラックコメディが散らばっていて面白かったんだけど、いまいちそれが意図的なのかどうかも分からず、自分ひとりだけで楽しんでいる感じだったな・・。レベッカの交霊術おもしろすぎるでしょ。明るいミュージカルコメディっていう側面が押し出されていて、あまり皮肉に富んだユーモアのことを指摘しまくるのもシャニカマかな、と思って言わないようにしている。

28.    SISU 不死身の男

 めちゃくちゃ地味じゃなかった?不死身の理由が歴戦の経験値とか強運とかを差し置いて「だって不死身なんだもん」ぐらい簡素化されていて笑った。せめてもうちょっと根性論でも良かったでしょ!それはともかく、公開前に見たから宣伝のされ方と実態の差が大きかった。決して悪いと言っているわけではなく、想像以上にハードボイルドで静かな作品だったということ。マッドマックスやRRRなんてとんでもない。熱量が違うよ。

29.    シック・オブ・マイセルフ

 こちらも試写で鑑賞。北欧ビジュアルが洗練されていることもあり、結構話題になるかな~と期待していたんだけど、そこまでだったな・・。個人的には結構好きというか、このくらい誇張してやっとエンタメになるというか。SNS世代への雑な問題提起とかを一切無くして、最悪な主人公の自業自得奇譚に徹してくれていたのが高評価。そしてこの作品の本領は今後公開予定のA24「Dream Scenario」の監督作ということだ。あと色々調べて見つけたんだけど、主演女優の過去作「Ninjababy」も見たいんだよな。日本で見るすべはないが・・

30.    ショーイング・アップ

  「ファースト・カウ」と同日公開のケリー・ライカート作品。常連のミシェル・ウィリアムズが主演ということもあって、かなり好みだった。ホン・チャウもいい役者だよね。スタンダード画角からシネスコになり、さらに現代のそのものを描いていたり、今までの作風が一変した気がしている。でも相変わらず余白がたっぷりで、ミシェル・ウィリアムズの寡黙な名演技との相性は抜群だったと思う。

31.    女優は泣かない

 伊藤万理華やハマケンといった信頼するキャストが出ている「手ごろな邦画」として観た。どこをとってもちょうど良いクオリティで、大作であればあるほど邦画はきな臭いし、これくらいの規模感が良いよな~と実感した作品。一方で伊藤万理華の演技は相変わらず頭一つずば抜けていて、「サマーフィルムにのって」の延長線上にあるようなキャラもあいまって最高だった。伊藤万理華、ずっと邦画の最前線にいてほしいな~。あ、蓮佛美沙子もはじめてみたけど、想像以上に良かった。

32.    ストロベリー・マンション

 日本未公開のレア作品上映特集のうちの一本。クローネンバーグや「ゼイリブ」が構築した世界観に近い。ビジュアルが特に現代風にアップデートされている様子もなく、チープなプロダクションデザインがまさに数十年前のクローネンバーグのそれだった。当時は革新的なアイデアだったんだろうと思うが、本作においてはなんだろう、学生の卒業制作に見えてしまう瞬間も多々あったな。もちろん、それも含めて楽しく観られたけどね。特に顔面隕石がすごくて、「あ、こういう感じでいいんだ」ってあっけにとられた。

33.    正欲

  完全に磯村勇人目当てで見に行った作品だったのだけど、思いのほか良かった。マイナス1億点とプラス1億3点を天秤にかけて総評★3つ、というイメージ。めちゃくちゃ考えたし、大嫌いと大好きが混在する珍しい作品。

 

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34.    ソウルに帰る

  予告編でダンスしている作品ってなんか見たくなっちゃうんだよねえ。しかもフランス映画と勘違いしていて、韓国へのロードムービーっていうあらすじにも惹かれたのだ。蓋を開けてみれば粗野なキャラクタ造形に振り回され、あまりすっきりしなかった印象。今後注目したいと思わせるような光る原石も見つからず、ただただ粗削りの切り出した岩、って感じだ。

35.    Saltburn(ソルトバーン)

 今年の8/31に突如?トレーラーが公開され、愛するバリー・コーガンが主演ということもあってめちゃくちゃ楽しみにしていた作品。まさかこんなに早く観られるとは思ってもみなかった。「プロミシング・ヤング・ウーマン」の監督作なのだけど、そちらには全くハマらなかったという不安もあった。社会的メッセージが薄めだったのが本作の良かった点かも。バリー・コーガンの怪演にはただただ心を奪われて、説明できる代物ではない。バリー・コーガンが良すぎてその他の要素の気になる点も全部どうでもよくなった。

36.   宝くじの不時着 1等当選が飛んでいきました

 上映前から界隈でめちゃくちゃ面白いと話題になっていた作品。年末年始にぴったりのドタバタコメディで、今年一番笑ったかもしれない。劇場内もみんな笑っていてよかった。

37.    ダンサー・イン Paris

  下半期のダークホース。完全に「TAR ター」と対比をなす復活の物語で、フランスの「今」を切り取って描く爽やかでリズミカルな名作だ。ネガティブな要素を極力排したコメディ作品であると同時に、全編を通して芯に力強さがしっかりと通っている。この作品をル・シネマで見たらバレエ系と思われる家族連れやそっち方面の芸術に明るそうな客層で埋まっており、文化や芸術の交差を映画館で感じられてなんだか嬉しくなった。

38.    月

  ここまで説明する必要はないと思うのと同時に、そうでもしないと伝わった気になれない人たちもいて、難儀だなあと。石井監督のテイストとは合致している気がする。ヒトラーの来歴を急に諳んじる無名職員、カレンダーの赤丸で囲まれた大事な日付(しかもその月、その日しか予定がない。)、その日に近づくにつれ過ぎた日をバツで消す、施設の職務スペースが昼夜問わず真っ暗、など、演出がコテコテすぎて合わなかった。良し悪しはともかく、苦手な作品。磯村勇人はよかった。

39.    TALK TO ME

 試写で鑑賞。よくあるホラーかと思いきや、人間関係におけるトラウマが怪異を呼び起こすトリガーになるという設定上、家族関係や友人関係の方にもフォーカスしないといけない。その点、登場人物である10代たちの描き方も秀逸で、さすがYoutuberが監督しただけある。当然クラシックなホラー要素も含まれていて見応えばっちりなんだけど、惜しむらくはもっとショッキングな画もあってよかったな、というところ。死者との交霊っていうテーマだと、どうしてもそのすべての霊に残虐性を持たせる必要性はないので、ややセンチメンタルになりがち。

40.    ナポレオン

 合わなかったなあ。。巨匠リドリー・スコットと主演ホアキン・フェニックスとくればそれは期待したけど、題材が合わなかったのかな。天才的な発想で戦局をひっくりかえす軍師としての一面も、悪魔的と呼ばれるような為政者の一面も、どちらも中途半端だった気がするんですよね。まあ、そもそもリドリー・スコット作品でまともに見たことあるのって、「ブレードランナー」「ハンニバル」くらいなんですけどね、ワハハ!

41.    バービー

 今年は色々な人たちとこの作品の話をしたが、いまいち自分の感想が芯を食っていないというか、深読みしすぎている気がした。バービーが婦人科を受診しに出向くラストだけが真髄で、それ以外は最新のジェンダー論を皮肉するような内容だと思うんだけどなあ。力説するほど好みの作品というわけではなく、いつの間にかどうでもよくなってしまった。単純にコメディシーンのセンスが合わなかった。なんかフジテレビの特番って感じ。

 

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42.    PERFECT DAYS

 浅学ながらヴェンダース作品はお初でした。良かったです。平山の過去には極力触れられず、今の生きざまにフィーチャーしていたのがとてもよかったな。最後のあのカットで平山が見せた苦渋の表情、あれだけで彼が開き直りや無関心がゆえのあの生活なのではない、ということを教えてくれた。彼は彼なりに人間を愛そうとしたり、社会の求めるレールに乗っかって生きようと思ったりした瞬間があったはずだ、そういうことを想像させる大事なエンディングだったな。でも、広告代理店が創り出したムーブメントの一環なんだな・・というヤダみが垣間見える瞬間も多々あって、特に柄本時生が演じる「ザ・現代の若者」像はかなり鼻についた。

43.    Pearl パール

 「X エックス」がそこまでハマらなかったため、ホラー描写が減った本作への評価はさらに厳しい。何よりミア・ゴスを手放しで絶賛できず、モヤモヤする。そんなに面白くなかったよなあ。1作目に比べて規模が大きくなったね以外に特に語ることもない。

44.    ファースト・カウ

 いや~、ケリー・ライカート作品の中でも飛びぬけて余白たっぷりだった。個人的にはそこまで好みではなかったかな。友情の切り抜きが映っているだけで、それ自体に美しいものが感じられるのは間違いないけど、物語としての密度だったり「観た感」だったりは薄いよなあ。西部開拓時代のマチズモから脱却した男性2人の友情、というテーマなんだろうけれど、それを十分に想像させるパーツは揃っていない気がした。中心と余白のギリギリのバランスがケリー・ライカートの醍醐味だけど、今回は悪い方に働いてしまったかも。

45.    FALL / フォール(公開自体は上半期)

  公開からかなり遅れて配信で鑑賞。一発屋ホラーかと思いきや高所を映像で体験する感覚をなめていた。普通に怖かったな。設定で出落ちすることもなくちゃんと結末に向けたストーリーの流れが考えられていて、この手の映画にしては「しっかり観た」感を得られた。続編にはさほど期待していないけど、この作品単発で完結してくれていることもあり、ファストフード的映画としてそこそこの高評価。

46.    福田村事件

  フィクションとしての盛り上がりに欠ける、って誰かが言っていたけど、個人的にはドキュメンタリーやノンフィクションの方向に振り切ってほしかった。瑛大の頭に斧が振り下ろされた直後に鳴るBGMが陽気で気になった。たしかに言われてみれば中途半端な気もするが、役者の演技はみな素晴らしかった気がする。なんというか、高級な水を飲んで「味しないな・・」と思う感覚に似ている。作品それ自体は良いものなんだと思うが、無味。

47.    ふたりのマエストロ

  これもダークホースに近い。90分にも満たない尺、かつラストの展開も読める作品だったが、クラシック音楽が題材でも卑近に感じられる良いエンタメだった。ル・シネマで観たという体験も良かったなあ。なんとなく音の響きが良質に感じられる映画館だと思う。あのラストは完全に読めた、というかキービジュアルからも読み取れるが、壮観で美しい演奏に心を奪われ、きっちりパンフレットまで買って満足した。

48.    ベイビーわるきゅーれ 2ベイビー

 こちらも配信で鑑賞。前作より爆発力が無くなった気がする。主人公二人の掛け合いや生活感はどこまでも広がっていけるテーマだしどんな形でも楽しめる気がするので、もっとアクションシーンを見せてほしいなと思う。伊澤彩織の格闘技ベースのアクションシーンをもっと見たい・・

49.    僕はきみたちを憎まないことにした

  さっぱりしていて良い作品。ただ、「テロ」がもたらす最大限の憎悪それ自体をなかったことにする必要はない気がして、対峙しているのはテロリズムで、それを踏まえた赦しの姿勢が大事なんだけどなあ、と思った。ちょっと淡泊すぎるというか、内省的すぎるというか。もっと社会全体を燃え上がらせる巨大な憎しみの存在にも触れてほしかった。

50.    ほつれる

 今年ベスト5に入るかも・・超好き。とにかくセリフと演技が自然すぎる。即興とかアドリブが多いのかなって思ってたけど、どうやらその真逆で、言いよどみ方や言葉に詰まる様子もすべて脚本に書かれているらしい。何よりその演出に対応できる役者陣の力量にも感動した。いや~、まじで凄かった。ヨルゴス・ランティモスの静的かつ美的カメラワークと、荻上直子が織りなす自然な会話劇が合わさった感じで、さらに80分程度という尺に収まっているため、濃密だった。

51.    マルセル 靴をはいた小さな貝(公開自体は上半期)

 全然期待していなかった作品。めちゃくちゃ泣いた。今年観た映画の中で一番の涙の量だったかも。ただのストップモーションかと思いきや、ちゃんとリアルな人間が物語を動かす様子もあり、そのパートに恣意的な不自然さも感じられなくて良かった。下半期トップ10どころか年間ベスト10に入ってもおかしくないかなあ。

52.    ミッションインポッシブル デッドレコニングPart1

  試写会で鑑賞。尺が長い上に全2部構成という作品で、そのボリュームに飽きないよう随所にコメディシーンが挟まっていたのが新鮮だった。一方でアクションやスパイシーンのキレも健在だったから、総じてかなり満足感は高い。そもそも目くじらを立てて粗さがしをするようなシリーズではないと思ってるから、気になる点は特に見当たらなかったなあ。ファンは気になる点もあったんだろうけど。トム・クルーズが変に若作りをしておらず、等身大の60歳を演じていたのがとてもよかった。

53.    ミュータントタートルズ ミュータント・パニック!

 今年のベスト10に入ります!!最高だったよ、本当に・・。今年の「スパイダーバース」と肩を並べる、表現の可能性に限界まで肉迫した大傑作。色々なポップカルチャーへのリスペクトと愛が散りばめられているのに、ニューヨークのドープな音楽とアングラなビジュアルが終始一貫していて、迷子にならなかった。過去作を一切知らない状態で鑑賞できたのも良かったなあ。「スパイダーバース」は次作を見ないと判断ができなさすぎるから、同じく続編が示唆されていても本作の方が一応高評価ということにしている。あと「スパイダーバース」はMCUや実写の他シリーズまで介入してきており、そろそろキャパを超えそうな予感がしている。本作は100%中の100%を目指している感じなのが良い。

54.    メドゥーサ デラックス

  A24配給作品なのでもう少し話題になるかなって思ってたけど、そこまでヒットしなかった印象。これは試写で観た。そして寝た・・。色々と惜しい作品だとおもう。ビジュアルや撮影の仕方はエッジーで素敵だった。エンディングのダンスも個人的には好き。どことなくギャスパー・ノエを彷彿とさせる。

55.    ヨーロッパ新世紀

  「熊は、いない」と同様めちゃくちゃ良質な作品。なんだけど、ちょっと寝落ちしてしまった。。。本当に最悪だ。でもさほど影響がないシーンで寝落ちしていたらしく、全体的な理解度も高くて満足した。今年公開された映画の中でもかなり良い方だと思う。パンフレットも読み込んだ。複雑で難解な事情が絡んでいるが、ヨーロッパの地政学村八分サスペンスが混ざり合った良作だ。

56.    理想郷

 これも村八分サスペンス。歴史的な背景事情をそこまで感じさせず、都市部と地方の文化的・倫理的格差をつぶさに描いた作品だった。後半パートで急に夫婦愛の物語に転換して面食らったけど、それはそれで筋が通っていたというか、後日談として成立していた気がする。そしてクライマックスの露悪的な結末は、非常に後味が悪くて、良かった。

57.    別れる決心(公開自体は上半期)

 編集やカメラワークがユニークで面白かったのは覚えている。中身は覚えてないや。本当に好きでも嫌いでもなかったんだと思う。

58.    私がやりました

 試写で鑑賞。フェミニズムについて評価されているのですが、そんなんだったっけ?かなり記憶があいまいなんだけども、冤罪事件の犯人に疑われるもあえて否定せず、女優として・弁護士として名を上げるためその裁判を利用する、というプロットですよね。そしてその裁判に勝利するための弁論としてフェミニズムを用いていた気がするのだけど、それってかなり皮肉的で詭弁として描かれていたと思ったんですが。「女性は問答無用で守られるべきだ」という論調を逆手に取ったように見えて、それが現代の価値観にも通じて皮肉で面白い、というか。でもストレートに女性の権利を真向から問いただした作品!という評価をされている気がして、そんな正義感ある話だったっけ?と詳細を思い出せない記憶にモヤモヤしている。それはさておき、軽妙なテンポが心地よくて、クラシックとモダンが両立した素敵な作品だった。

・・・

はい。長くてすみません。

今年、自分ってこんなに映画が好きだったんだ、という自覚から始まり、仕事柄見れば見るほどその知識も活きてきて、毎週毎週狂ったように映画館に通っていました。それでも生涯でたかだか500~600本くらいしかみていないのだけど、そのほぼ半分をこの一年で観た、というのはなかなか達成感がある。

過去の有名作や監督についてはまだまだ知らない作品がたくさんあるから、そういうのを2024年のリバイバル上映で意識的に観ていきたいな。

「その2」では、劇場で見た旧作と、ベスト10の話をします。