ハイボール・ハイライツ

ハイボールを飲みながら、気になるコンテンツのハイライトを。

音楽と週報 vol.39 2023/12/16〜12/22

1 odol 22 scrobbles
2 チャットモンチー 13
3 Mellow Mellow 11
4 家主 11
5 DSPS 10
6 Maustetytöt 10
7 Marky Mark and the Funky Bunch 9
8 大象體操 9
9 WOOZE 7
10 フーバーオーバー 7

「枯れ葉」出演のフィンランドのユニット、家主の新しいアルバムなど。

 

12/16(土)

午後の回から「枯れ葉」を鑑賞。まさか全ての回で満席だとはまったく思わなかった。カウリスマキは下ぶれることがまったくなくていいな。中年男女が苦汁を嘗めながら恋仲になっていく様、ただのラブコメではなく社会の世知辛さを伴っているのがいいよね。しかも説教くさくなくて、カウリスマキの人柄がうかがえる。パンフを読んで知ったが、いつかフィンランドで彼が経営する映画館に行ってみたい、とちょっとした夢ができた。

帰宅して「ターミナル」を鑑賞。久しぶりに「観なければ」のカテゴリに入れている不朽の名作。普通だった。

注文して数週間?くらい経っていた途中さん著「自由研究 子のいる人生 子のいない人生」を読んだ。一般人のエッセイとは思えないほどに考え方が明瞭かつ一貫していて、普段からこのテーマを命題に生活しているんだろうなあ、と想像できた。社会の期待に応えられない焦燥感だったり疎外感をロジカルに深掘りし、さらに正解の道を迂回して進むという提案までなされていた。このテーマのみならず、あらゆるレールの傍らに立ってまごまごしてしまう人間は読むべきだろう。文体もあっさりしていて、つい難しい言葉で飾りたくなる自分の文章を見返して少し恥ずかしくなった。

たしかこの週末あたりからTinderをインストールした。同僚が、顔写真も載せずに好きな映画の羅列のみをプロフィールにしていたところ、マッチングできた女性と付き合っている、という話を聞いた。ちょっと希望を持って真似事をしてみるも、デジタル酒池肉林に辟易して続かない。というか1km圏内にいる人間が多すぎて怖くなる。

odol、いいなあ!移動中ずっと聞いていた。

12/17(日)

午後?の回から「バーナデット ママは行方不明」「バッド・チューニング」を連続鑑賞。リチャード・リンクレイターが「スクール・オブ・ロック」の監督とは知らなかったので助かった。そういえば前に遭遇した同期から見に行きたいんだよねとLINEが来た気がするが、別に一緒に見ようとは言われてないからいいか、と思って適当に返したのを思い出した。劇場内をちょっとだけ見回すも、彼の姿を確認できなかったので胸をなでおろした。

夜、カウリスマキ「真夜中の虹」を鑑賞。まだちょっとだけ見ていない作品があるから、年末年始くらいに全部みたいな。

12/18(月)

前日に見た「バッド・チューニング」の曲がどれもこれもめちゃくちゃよかったので、そのプレイリストを聴いて出勤。仕事、自分の盛大な勘違いで先方への心証が悪くなった。人間性を疑うメールが返ってきたしう、自分と関連部署半々くらいに責任が分かれる事案だったので、モヤモヤして退勤。ccに入っていた同期から叱られた。後輩くんの退職祝いを買いに日比谷に寄った。みんなから嫌われていて誰も送別会の予約もギフトの話もせず、ただただ「送別会やらないの?」と言われ続ける無責任な態度に嫌気がさしていた。お店予約担当の同僚とはチャット越しに意気投合していたと思う。チーム長も「いなくなってせいせいする!」とオフィスで大声で言うものだから、それはマネジメントする人間として終わってるだろ、と心の中で蔑んだ。一方で彼の引き継ぎがめちゃくちゃすぎてそれはそれで迷惑なので、極力苛立ちを隠して修正に付き合った。

12/19(火)

問題のある取引先とのMTGがあり、先方が招いたトラブルについての認識がかみ合わず、ただ疲れた。強情というか、常識が通用しないというか、同じ言語を話すというだけで、思考のすり合わせができるとは限らない。そういう場合、日本語を理解する外国人のようなものか、と自分を納得させることが多い。

後輩くんの送別ランチへ。ちゃんと転職先も決まったようで安心した。全体的にピリピリしており、チーム長の堪忍袋の緒が切れてランチ中に引き継ぎのダメ出しをキレながら指摘していたのが最悪だった。

定時間際、部署の全員に対して退職のスピーチがあり、そこで後輩くんが述べた仕事のモチベーションの話にちょっと感動した。なんとか適材適所になるといいな。

その後、前部署で一緒に働いていた派遣社員の送別会に参加。寿退社らしい。大学のときお互い一目惚れとかなんとか、みたいな馴れ初めをみんなに嬉々として話していたけど、遅れて参加した自分は席が離れていてよく聞こえなかった。近くに座ったところで聞きたくもない話でそれが態度に出ただろうから、逆によかったかもしれないけど。誰と何を話したかあまり覚えていない。非常に濃度の薄い会だった、でも彼女にはたくさん助けられたし、人格も能力も素晴らしい人間なので、どうか幸せになってほしい。自分とは交わらないタイプの人間だったな。

いまの会社で一番仲の良い元同僚から解散後に忘年会しようと誘われ嬉しかった。24日の予定が埋まる。お互い男女の仲にならないとわかりきっていて日程も滞りなく決められて何より。恋愛映画だったら、画面が分割されてお互いが就寝前に(これ、デートじゃない!?)と思うカットがあるだろうけれど、そんな甘くないのよ。

12/20(水)

打ち合わせがあり出社。今年お世話になった会社とMTGをし、昨今の映画事情を楽しく話せてよかった。たまに公私混同してるけど、まあいいでしょう。こういうことがあると仕事が楽しくてしょうがない。

それ以外は特になにも覚えてないかも。大事なことがいくつか起きた週だったはずだけど。

家主の新しいアルバム、よかった。「CからはじまるABC」でえっちゃんがフィーチャーされていてよかった。忘れらんねえよ、もう何年も聞いてないけど。それ繋がりでチャットモンチーを聴いた。邦楽ロックを久しぶりにたくさん聴いた週だったかも。

12/21(木)

在宅。特に覚えてない。昼寝した。クライアントごとに明らかにモチベーションの差が出始めてきた。ない方の仕事、めちゃくちゃ雑でやばい。エレファントジムを流して仕事。

退勤後「ミークス・カットオフ」を鑑賞。ポール・ダノとゾーイ・カザンが話しているシーンがもっと欲しかったが、相変わらず寡黙な作品だ。ケリー・ライカートはインディアンに何か思い入れでもあるのだろうか。ラストのあのカットは美しかった。

12/22(金)

なんとなくDSPSを聞いて出勤。台湾のフェス行きたいなあ。夕方から2月公開のとある大型新作の試写に行く予定だったが、仕事が重なり断念。もう公開前に参加できないかもしれない。一度も話したことのない人が退職するらしく、その挨拶で盛り上がっていた。つい数日前の後輩くんのときとは大違いだった。おもろい。

試写に参加できなかったはらいせと、週末は絶対に混むと見込み、「PERFECT DAYS」を定時退勤してみに行った。いやあ、よかったな〜。ヴェンダースの作品をひとつもみたことがなかったので不安だったが、役所広司に涙。めっちゃ涙。でも柄本時生が演じた役の造形が微妙だったのは否定できない。なんなんだよあの雑なキャラデザ。それとこの映画の企画に日本の広告代理店の動力がかなり働いているらしく、それも所々チラついて嫌だった。

でも柄本時生がフェードアウトしたり、中盤以降だんだんピントが合うようになった。それからはひたすらいい作品・・と吐息を漏らしながら鑑賞。自分を鏡写しで見ているかのような役に、自分の存在が照らされたような感覚を覚えた。すばらしかったです。

その後映画館の近くで家系ラーメンを食べた。いつもより油分が多かった気がした。

・・・

この週、「放浪記」をかなり読み進めた。好きなフレーズに出会ったらそのページの角を折るようにしているけど、それを見返すのもまた面白い。逆境をユーモアに変えて飛ばしたり、どん詰まりの人生を独特の感性と的確な言葉で表現する林芙美子にどっぷり浸かっている。はあ、好き。。。。

 

週末は「ファースト・カウ」「ショーイング・アップ」を見に行く。あとは配信と、3月の新作を試写予定。